狂者(読み)キョウシャ

デジタル大辞泉 「狂者」の意味・読み・例文・類語

きょう‐しゃ〔キヤウ‐〕【狂者】

気の狂った人。
風雅に熱中する人。風狂の人。
先師の意を以て見れば、少し―の感も有るにや」〈去来抄・先師評〉
ふざけたことを行う人。狂言師
「―の言を巧にする戯にも非ず」〈太平記・五〉

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精選版 日本国語大辞典 「狂者」の意味・読み・例文・類語

きょう‐しゃキャウ‥【狂者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 発狂した人。狂人
    1. [初出の実例]「いま杜撰の狂者、いたづらに仏道を軽忽するは」(出典:正法眼蔵(1231‐53)仏経)
    2. 「言語疏暴恰も狂者(キャウシャ)の如し」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉五二)
  3. 風雅に執心する人。風狂の人。風流人。
    1. [初出の実例]「柳を書べき時節、その柳を見て書んと、自舟に棹さして出たる狂者の躰、珍重也」(出典:俳諧・初懐紙評註(1686))
  4. ざれごとをする人。狂言師。
    1. [初出の実例]「又狂者(キャウシャ)の言を巧にする戯にも非ず」(出典:太平記(14C後)五)
  5. 志が大きくて、細事を顧みない人。
    1. [初出の実例]「戦国にいでられたる荘子は、その狂見をたくましくふるまひ、人におしえ書をあらはして大唐(もろこし)の狂者(キャウシャ)の教の始となれり」(出典:翁問答(1650)下)
    2. [その他の文献]〔論語‐子路〕

くるい‐ものくるひ‥【狂者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 精神に異常をきたした人。狂人。
    1. [初出の実例]「われらが夫はくるひ者のやうに意も不定なる者なりしが」(出典:三体詩素隠抄(1622)一)
  3. 神がかりになる人。また、神がかりしたように激しい舞踊をする人。
    1. [初出の実例]「世の中の狂(くる)ひ者と申て、みこ・かうなぎ・舞・猿楽ともがら」(出典:愚管抄(1220)六)
  4. あることに熱中して、他をまったくかえりみない人。
    1. [初出の実例]「馬助仲家〈狂物〉」(出典:明月記‐正治元年(1199)四月二四日)

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普及版 字通 「狂者」の読み・字形・画数・意味

【狂者】きようじや

狂人。

字通「狂」の項目を見る

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