しゅりょうもん‐きょうシュレフキャウ【狩猟文鏡】
- [ 一 ] 群馬県高崎市八幡原町出土と伝えられる、鏡背に狩猟の光景を文様化した青銅鏡。直径一八・二センチメートル。内区と外区に分かれ、内区には四人の人物と四頭の鹿と思われる動物が放射状に配置され、外区には刀と盾をもつ一〇人の人物が横位に並列されている。家屋文鏡と共に日本独自の図案。東京国立博物館蔵。
- [ 二 ] 中国河南省洛陽金村の古墓から出土した銅鏡。直径一七・五センチメートル、縁の厚さ〇・四三センチメートル。鏡面は白銅板で別につくった青銅製の鏡背にはめこんである。鏡背には狩猟の光景などが文様化され、すべて金銀の網線を象嵌(ぞうがん)して表出。細川家蔵。金銀錯狩猟文鏡。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
狩猟文鏡
しゅりょうもんきょう
鏡背の文様に狩猟の光景を描いた鏡。群馬県高崎市八幡原(やわたっぱら)出土と伝える径18.2センチメートルの仿製鏡(ぼうせいきょう)が著名。この鏡の内区の4個の乳(ち)の間に各1人の人物、乳側に鹿(しか)をそれぞれ配する。外区には10人の人物が描かれ、そのうち9人は片手に盾(たて)を持ち、多くの人物は刀剣を振りかざした構図である。狩猟というより舞踊というほうが適切かもしれない。勾玉(まがたま)文鏡、家屋文鏡とともに倭(わ)的表現の鏡である。東京国立博物館蔵。
[今井 尭]
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狩猟文鏡
しゅりょうもんきょう
狩猟の様子を文様にした鏡。日本では群馬県出土のものがある。弓矢を持つ人と,犬,しかが描かれている。中国ではホーナン (河南) 省金村発見の「金銀錯狩猟文鏡」と呼ばれるものがあり,騎馬の人物がとらに向っている。唐鏡にも騎馬の人物が狩りをしている文様の描かれているものがある。
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世界大百科事典(旧版)内の狩猟文鏡の言及
【鏡】より
…古墳時代の仿製鏡は,弥生時代の仿製鏡との関連は不明であるが,その製作は4,5世紀,中国鏡の模倣から始まる。ほぼ同時に中国鏡の図像文様を換骨奪胎したものや,直弧文鏡や家屋文鏡あるいは狩猟文鏡のように独自の図像文様をもつものも登場する。その一つの特色は,径30cm以上といった超大型鏡が径数cmの小型鏡とともにあることである。…
※「狩猟文鏡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」