玉ラシャ(読み)タマラシャ

デジタル大辞泉 「玉ラシャ」の意味・読み・例文・類語

たま‐ラシャ【玉ラシャ】

表面毛羽けば立て、小さい玉状に丸めてある毛織物。コート地などにする。

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精選版 日本国語大辞典 「玉ラシャ」の意味・読み・例文・類語

たま‐ラシャ【玉羅紗】

  1. 〘 名詞 〙 ( ラシャは[ポルトガル語] raxa ) 布の表面に毛羽を立て、小さい玉形にまるめた毛織物。手ざわりが柔らかく、コート地などとする。
    1. [初出の実例]「角袖(一に道行)といふものありて、〈略〉其料も〈略〉玉羅紗(タマラシャ)スコッチ等のは殆ど跡を絶たんとす」(出典:東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉中)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「玉ラシャ」の意味・わかりやすい解説

玉ラシャ
たまらしゃ

織物の表面に、もみ固められた玉あるいは波状の毛羽がある毛織物。紡毛織物を強く縮絨(しゅくじゅう)して起毛したのち、毛羽をすこし長く残すように剪毛(せんもう)し、これをナッピング・マシンnapping machineにかけて布面を蒸熱しながら、丸く回るように動揺する摩擦板でもんで毛羽を細かく丸めたものである。玉ラシャには、毛玉の小さいチンチラ、毛玉の大きいフロンコンネなどがある。用途は婦人オーバー地であるが、特殊なものであるため生産も少ない。

[角山幸洋]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「玉ラシャ」の意味・わかりやすい解説

玉ラシャ
たまラシャ

毛織物の一種。ゆるく撚 (よ) った毛糸緯糸紡毛糸綿糸亜麻糸経糸に使って織る。そのあと,表面に毳 (けば) をかき出して深く立て,それを小さな球状に丸めると,手ざわりの柔らかい厚地の織物となる。おもな用途はオーバー地。

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