立て(読み)タテ

デジタル大辞泉 「立て」の意味・読み・例文・類語

たて【立て】

[名]
立ててあること。「立て看板」
酒宴遊興
「こりゃ―に行く大尽衣装ぢゃ」〈浄・歌祭文
他人の分の遊興費も払ってやること。おごり。
「わたしが―でござります」〈伎・韓人漢文〉
筋。筋道
「なあに、そりゃあ軍書の講釈だ。あっちのは―が違はあ」〈滑・浮世床・初〉
おきて。とりきめ。
「この廓の―だといっても」〈人・娘節用・前〉
[接頭]人・役目などを表す名詞に付いて、その役目の中心であること、首位であることを表す。「立て女形おやま」「立て行司」「立て三味線」「立て役者」
[接尾]
動詞連用形に付いて、その動作が終わったばかりであることを表す。「炊き立て御飯」「でき立てのビル」
助数詞
㋐連続しての負けを数えるのに用いる。「下位チームに三立てをくう」
勝負事などの回数を数えるのに用いる。
博奕をして遊びけるに、一―に五貫十貫立てければ」〈太平記・三三〉

だて【立て】

[接尾]
名詞、動詞の連用形、形容詞語幹などに付いて、取り立ててそのようなようすをする、実際以上にそれを誇示してみせようとする、などの意を表す。「かばい立て」「かしこ立て」「心安立て
車につける牛馬の数や船のの数などに付けて、それだけの数で成り立っていることを表す。「二頭立て馬車」「八挺ちょう立ての船」
作品や項目・種類などの数を表す。「三本立て興行

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「立て」の意味・読み・例文・類語

だて【立・建】

  1. ( 動詞「たてる(立)」の連用形から )
  2. [ 1 ] 〘 接尾語 〙 多く名詞、動詞の連用形、形容詞の語幹に付いて、ことさらにそのような様子をする、積極的に、実際以上のさまを誇示してみせようとする意を表わす。「男立て」「賢(かしこ)立て」「古歌立て」「隠しだて」「かばいだて」など。
    1. [初出の実例]「さしもはやりたることに、ただひとりまじりたまはざりつれば、賢人だてかとおもひて侍つるに」(出典:古今著聞集(1254)一二)
  3. [ 2 ] 〘 造語要素 〙
    1. 車につける牛馬の数や舟につける艪(ろ)の数につけて、それだけの数で成り立っていることを表わす。「二頭だての馬車」「八ちょうだて」など。
    2. 映画、演劇などで、一回の興行を成り立たせている作品の数をいう。また、一つのことを構成している項目や種類、方針などの数を表わす。「三本だての興行」など。
    3. ( 建 ) 建築物の構造や階数を表わす語について、そのような建て方のものであることを表わす。「二階建て」「平屋建て」「一戸建て」など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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