玉垂宮(読み)たまたれぐう

日本歴史地名大系 「玉垂宮」の解説

玉垂宮
たまたれぐう

[現在地名]久留米市大善寺町宮本

西小路にしこうじにある旧県社。祭神武内宿禰(高良玉垂大明神)・八幡大菩薩・住吉大明神。高良玉垂こうらたまたれ宮とも称したほか、神宮寺大善だいぜん寺とは近世末まで一体で、大善寺玉垂宮と称された。社伝によれば神功皇后の三韓征伐伝承にかかわり、遠征に功績があった藤大臣(高良大明神・玉垂命とも)が当地で没し塚崎つかさき(現三潴町)に葬られていたが、天武天皇元年(六七二)僧の安泰が神社を建立し、次いで神宮寺として法相宗の御船山高法こうほう寺を建立したのに始まるという(「吉山旧記」吉山家文書)。延暦一四年(七九五)高法寺は天台宗となり、弘仁五年(八一四)大善寺と改号、当時の社領は三千町あったと伝える。中世三潴庄鎮守として崇敬を集めた。永仁四年(一二九六)一二月日の玉垂宮并大善寺仏神事記文(御船文書/鎌倉遺文二五)によると「筑後国三妻郡鎮守玉垂宮并大善寺仏神事記文」として、大善寺・玉垂宮の祭礼とその課役を負担する三潴庄内の村々が書上げられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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