現実神経症(読み)げんじつしんけいしょう(その他表記)actual neurosis

精選版 日本国語大辞典 「現実神経症」の意味・読み・例文・類語

げんじつ‐しんけいしょう‥シンケイシャウ【現実神経症】

  1. 〘 名詞 〙 フロイトの唱えた精神分析用語。身体機能の障害原因とする神経症神経衰弱心気症不安神経症三つがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「現実神経症」の意味・わかりやすい解説

現実神経症 (げんじつしんけいしょう)
actual neurosis

S.フロイトの提唱した精神分析の概念。彼は神経症を現実神経症と精神神経症とに区別したが,小児期からの心理的葛藤ではなく,現実の性的活動が不適切なことによる生理的緊張集積の結果,自律神経症状や情動障害を呈する一群があると考え,それを現実神経症とした。これには神経衰弱と不安神経症(不安障害)が含まれ,神経衰弱は過剰な性活動のため,不安神経症は性的興奮が十分に発散されないための中毒と考えられ,のちに心気症もこれに加えられた。これに対し,精神神経症には転換ヒステリー,不安ヒステリー,強迫神経症が含まれ,これらは性衝動をめぐる葛藤に起因するものであり,性衝動の発達段階と抑制機制とによって象徴的な症状が形成されると理解された。今日では,現実神経症の考え方はほぼ否定されている。
神経症
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