球面計(読み)キュウメンケイ(その他表記)spherometer

翻訳|spherometer

デジタル大辞泉 「球面計」の意味・読み・例文・類語

きゅうめん‐けい〔キウメン‐〕【球面計】

球面曲率半径を測る器械。ふつう凹凸の中心部の高さを測定計算によって求めるものが用いられる。スフェロメーター

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精選版 日本国語大辞典 「球面計」の意味・読み・例文・類語

きゅうめん‐けいキウメン‥【球面計】

  1. 〘 名詞 〙 球面の曲率半径や薄板の厚さなどを測定する器具三脚台中央から、微調整ねじで上下に動く四本目の脚を出した形のもので、四脚先端を同一水面に置いたときを零位置とし、中央の可動脚を引き上げながら測定する球面に押し当て、すべての脚の先端が球面と接触するときの、可動脚の零位置からの高さを測定して曲率に換算する。スフェロメーター。

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改訂新版 世界大百科事典 「球面計」の意味・わかりやすい解説

球面計 (きゅうめんけい)
spherometer

球面の曲率半径の測定に用いられる器具。スフェロメーターともいう。図1に示すように正三角形の三つの頂点に相当する位置に固定した3本の脚,中心位置にマイクロメーターねじで上下に微動する脚がついたものである。まず固定脚を球面上に置き中心の脚を下げていき,その先端が球面に接触したときの位置を直立した目盛と円板上の目盛から読み取る。球面計を平面上に置いた場合の目盛の読みとの差hを測定すると,R=(d2/6h)+(h/2)で曲率半径Rが計算される。ここでdは固定脚で作られる三角形の一辺の長さである。

 さらに精度のよいものに図2の環状球面計ring spherometerがある。円筒環Cの上に曲率半径を測定しようとする球面を乗せる。中心の棒を滑車の働きでゆっくり上に押し上げ,棒の先端のボールBが球面と接触する位置での目盛Tを顕微鏡Mで読み取る。平面を円筒環に乗せたときの目盛の読みとの差hから,R=(r2/2h)+(h/2)で曲率半径Rが求められる。ただしrとしては,図の実線のような凸面の場合はr1,点線のような凹面の場合はr2をとる。球面計は,レンズの曲率半径の基準として用いられるニュートン原器の曲率半径の測定に主として使用される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「球面計」の意味・わかりやすい解説

球面計
きゅうめんけい

レンズや球面鏡など、球面形状をもつ物体面の曲率半径を測定する器械。スフェロメーターspherometerともいう。一般に使われるものは、先端のとがった3本の脚を等間隔に配置した台の中央に、マイクロメーターねじまたはダイヤルゲージ機構によって上下に動く脚を設け、その先端が物体面に触れる位置を読み取ることによって物体面中央部の高さを測定する。可動脚の先端が3脚の先端を含む平面上にある状態を基準として測った物体面中央部の高さと、3脚相互間の平均距離から球面の曲率半径を計算する。これは古典的な器械であり、近年では球面以外の形状も測定できる三次元測定機をこの目的に利用することが多い。三次元測定機はプローブ(探針)を対象物に接触させながら移動させて形状を測定するもので、理想の形状(たとえば球面)との差を表示することもできる。

 なお、球面の曲率半径は光学的方法によっても測定でき、このための装置も球面計とよんでいる。

[三井清人]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「球面計」の意味・わかりやすい解説

球面計
きゅうめんけい
spherometer

スフェロメータまたは球指 (たまざし) ともいう。球面の曲率半径を測定するための計器。正三角形の頂点に固定した三脚をもつ台の中央に上下動するマイクロメータが取付けられている。球面計を,測定する球面または平面の上に置き,中央のマイクロメータをゆっくり上下に動かして,その先端が球面または平面に接したときのマイクロメータの目盛りを読む。2つの読みの差を h ,三脚間の平均距離を d とすると曲率半径 RRd2/6hh/2 で与えられる。種々の改良型がある。

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百科事典マイペディア 「球面計」の意味・わかりやすい解説

球面計【きゅうめんけい】

スフェロメーターとも。球面の曲率半径を測定するための器具。三脚の台を球面にのせ,台の中央の可動脚を測微ねじで上下させて先端を球面に接触させ,三脚先端の平面からの高さを求めて曲率半径を計算する。レンズ面の曲率半径を測るアッベの環状球面計は三脚の代りに環を用い,その上にレンズを載せる。

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