環境基本計画(読み)かんきょうきほんけいかく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「環境基本計画」の意味・わかりやすい解説

環境基本計画
かんきょうきほんけいかく

1993年制定の環境基本法第15条に基づき閣議決定される,環境行政大綱を定めた基本計画。第1次環境基本計画は,1994年に閣議決定された。「循環」「共生」「参加」「国際的取り組み」の四つを長期目標として掲げ,環境への負荷の少ない持続可能な社会を目指すことをうたった。廃棄物リサイクル対策の考え方として (1) 発生の抑制,(2) 再使用,(3) リサイクル,(4) 適正処理という段階をふむことを原則としたほか,事業者の管理責任などについても従来より踏み込んだ内容が盛り込まれた。その後,環境基本計画はおよそ 6年おきに策定されている。2000年の第2次環境基本計画では「理念から実行への展開」「計画の実効性の確保」に留意した内容となり,2006年の第3次環境基本計画では,「環境的側面,経済的側面,社会的側面の統合的な向上」が提示された。2012年の第4次環境基本計画では,持続可能な社会を実現するうえで重視する方向などが示された。2018年の第5次環境基本計画では,環境政策の具体的な展開が記載された。特に分野横断的な六つの重点戦略が設定され,地域循環共生圏の創造を目指すといった内容が盛り込まれた。

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知恵蔵 「環境基本計画」の解説

環境基本計画

環境基本法を根拠にする、環境行政を総合的、計画的に進めるための基本計画。1994年に「循環」「共生」「参加」「国際的取り組み」の4つの長期的目標を掲げた計画を策定。中央環境審議会での審議の後、2006年4月に改定された。「環境的側面、経済的側面、社会的責任の総合的な向上」を環境政策の展開の方向性とし、50年を見据えた超長期ビジョンの策定、実質的な目標・指標で進行管理を行う、国と自治体NPOなど市民との参画連携の必要性などを提唱している。

(杉本裕明 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内の環境基本計画の言及

【環境基本法】より

…そのうえで,各関係者の役割を定めるとともに,国や地方公共団体の環境施策として取り組むべき項目について規定する。この場合,配慮すべき政策の指針が定められ,また国の〈環境基本計画〉を策定することによって各施策の有機的・効率的な推進を図るべきものとしている。法のとりあげる施策の体系は,規制・取締りだけでなく,経済的助成や負担を課す措置等の自発的な活動の誘導を図るものが強調されていることも注意されるべきである。…

※「環境基本計画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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