畑宿(読み)はたじゆく

日本歴史地名大系 「畑宿」の解説

畑宿
はたじゆく

[現在地名]箱根町畑宿

東海道小田原宿と箱根宿の中間にあり、南方須雲すくも川が流れ、東は須雲川すくもがわ村、西は箱根宿と接する。「風土記稿」によれば、村の西に東海道二三里の一里塚があった。

弘治二年(一五五六)三月一九日の「畑宿」の源左衛門など三名に宛てた北条家朱印状(県史三)

<資料は省略されています>

とあり、すでにこの頃には箱根道の宿場であった。しかし右の副状と思われる同月日同名宛石巻家貞証文写(同書)に「畑之宿人、連々たいてんいたし候間、(中略)諸役御免許御判形被下置候へ共、近年左様之儀も不入候間、たいてんいたす由」として、宿場としての不振を訴え、新たに右の朱印状によって諸役免許に加えて北条氏の分国内における合器(挽物)商売が認められており、この頃にはすでに当地の挽物がかなり盛んであったことを思わせる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「畑宿」の意味・わかりやすい解説

畑宿
はたじゅく

神奈川県南西部,箱根町の地区。箱根山南部,外輪山の白銀山と中央火口丘二子山,鷹巣山にはさまれた須雲川の谷にある。江戸時代には東海道茶店があり,箱根峠を控えて繁盛した。付近には石畳の旧街道が残り,史跡に指定されている。箱根寄木細工発祥の地といわれ,その技法を生かした木工業が行われる。

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