コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

寄(せ)木細工(読み)ヨセギザイク

世界大百科事典 第2版の解説

よせぎざいく【寄木細工】

色,木目の異なる木片を組み合わせて模様を表した細工のこと。家具の表面,室内の壁面,扉の表面などを装飾する技法の一つ。これには二つの技法がある。一つは木材の表面に浅い穴をあけて,そこに色の異なる木片をはめこんで模様をつくる方法で,インタルシアintarsiaとよび最も古い技法である。他の一つは17世紀から18世紀にかけて流行した精巧な技法で,色,木目の異なる木片を薄い板にはめこんで模様のあるパネルをつくり,それを装飾しようとする表面に接着させるもので,マルケトリmarquetrie(フランス語)と呼んでいる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寄木細工
よせぎざいく

寄木細工は装飾技法の一つで、木材の色や木目(もくめ)の違った多数の小片または木板を、おもに幾何学的な図案によっていろいろな文様や形に配列し、これをほかの木板の上に貼(は)り付けたり、埋め込んだりする細工をいう。弘化(こうか)年間(1844~48)にはすでに始まっていたようである。箱根細工が有名だが、小田原や箱根地方は古くから木工細工、挽物(ひきもの)の名産地であり、そのような背景から寄木細工は生まれたと思われる。
 一時中断していたが、近年になって手芸として、装身具・手箱・雲(うん)版などがつくられるようになった。母体には、白を表すにはアオハダ、ミズキなど、黒はクロガキ、神代(じんだい)カツラなど、黄はニガキ、ハゼなど、赤はホオノキ、アカクズなどの木材が使用される。[秋山光男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の寄(せ)木細工の言及

【箱根細工】より

…現在は寄木,象嵌,挽物,組木などを総称して箱根細工という。寄木細工は弘化年間(1844‐48)にはじまるといい,色合いの異なる木地を寄せ合わせて幾何学的な単位模様をつくり,これをさらに集めてにかわづけした種木(たねき)を特殊な手がんなで削って〈づく〉とし,小箱などの表面装飾としたものである。模様の種類には市松,麻の葉,卍つなぎなどがある。…

【木工芸】より

…19世紀中期以後は主役をなす木材はなく,家具の使用目的に応じて多種多様な木材が使われるようになった。 木製家具の美的価値を高めるためには,古来からいろいろな装飾技法が採用されてきたが,そのおもな装飾技法は,彫刻,挽物,寄木細工,象嵌,化粧張り,塗装,金箔付けなどである。(1)彫刻carving 〈切込彫chip carving〉〈浅浮彫bas‐relief〉〈高浮彫high‐relief〉〈透し彫〉などがある。…

※「寄(せ)木細工」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報