異域録(読み)いいきろく(その他表記)Yì yù lù

改訂新版 世界大百科事典 「異域録」の意味・わかりやすい解説

異域録 (いいきろく)
Yì yù lù

18世紀初,中国,清のトゥリシェン(図理琛)の著した旅行記。トゥリシェンの一行は,康熙帝の命により1712年(康熙51)5月北京を出立し,内外モンゴリア,シベリアを経てボルガ河口に住牧するトルグート族長アユキハンを訪れて,15年3月北京に帰着した。中国史上,空前の大使節行といわれる。本書には行路の間の山川民族風習,物産,都市の人口戸数兵備などが詳述されている。満文本とその漢訳本がある。
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関連語 若松

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「異域録」の意味・わかりやすい解説

異域録
いいきろく
Yi-yu-lu; I-yü-lu

満州人トゥリシェンが漢満両文で著わしたシベリア旅行記。 1724年刊。満州文のほうが詳しい。 12年清の康煕帝は当時カスピ海の北方に遊牧していたボルガ・カルムイクのトルグート (土爾扈特)のアユキ・ハンのもとへ,その清朝への帰来をすすめるため使節団を派遣したが,一行に加わったトゥリシェンが外モンゴルのトラ川からセレンゲ川バイカル湖アンガラ川エニセイ川,オビ川,カマ川,ボルガ川を経てトルグートに達し,15年北京に帰着するまでの途中の見聞や,ロシア官憲との交渉を詳しく記した紀行。 18世紀のシベリアの実情を伝える貴重な史料である。

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