デジタル大辞泉 「白物」の意味・読み・例文・類語 しろ‐もの【白物】 1 「白酒」「塩」「豆腐」をいう女房詞。2 色がついた物に対して、白い物。「白物家電」「白物衣類」3 「白物家電」の略。4 石油業界で、見た目が透明な石油精製品を意味する白油の通称。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「白物」の意味・読み・例文・類語 しろ‐もの【白物】 〘 名詞 〙① 白酒(濁酒)をいう女房詞。[初出の実例]「御たづねのしろ物は、なににか侍るとたづねらる。〈略〉ありのままによのつねならず、しろき色なる九献を時々ねがふ事の侍を、かく石だたしく申なりといらふ」(出典:とはずがたり(14C前)一)② 塩をいう女房詞。[初出の実例]「内裏仙洞には〈略〉塩はしろもの」(出典:海人藻芥(1420))③ 豆腐をいう女房詞。[初出の実例]「みつかんのおり、しろ物一おりまいる」(出典:御湯殿上日記‐明応七年(1498)一一月一五日)④ 清酒をいう女房詞。[初出の実例]「くはんしゆうしよりならのしろ物御たる一かまいる」(出典:御湯殿上日記‐文明一七年(1485)九月三〇日)⑤ 雪をいう正月の忌み詞。[初出の実例]「元日の雨をおさかり、雪を白物ふれりと」(出典:諸国風俗問状答(19C前)備後国品治郡風俗問状答)⑥ 植物「しらたまのき(白玉木)」の異名。〔日本植物名彙(1884)〕 しろい【白】 物(もの) ① =しろき(白)物(もの)①[初出の実例]「飯には、しろいもの振るひて入れ、敷物、袋など、めでたうして奉れ給へり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)あて宮)② 雪。③ 白髪(しらが)。[初出の実例]「白いものの多い髪をふり乱して」(出典:恍惚の人(1972)〈有吉佐和子〉四) しろき【白】 物(もの) ① 白粉(おしろい)の古名。古くは米の粉で製したものという。しろいもの。[初出の実例]「造供御白粉(しろきもの)料、糯米一石五斗〈略〉並限卅日給」(出典:延喜式(927)三七)② どの色にもそめてない白の装束。多くお産の際の装束。[初出の実例]「女房達人知れずしろきものどもをいそぎそそきあへり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)若水) はく‐もつ【白物】 〘 名詞 〙 白いもの。おしろい。[初出の実例]「紅粉(こうふん)・白物(ハクモツ)の様なるものを頬に付けたり」(出典:源平盛衰記(14C前)八) しろき‐もの【白物】 ⇒しろき(白)物 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例