1917年の十月革命後,ソビエト政権をうけいれずに祖国を去った,あるいはソビエト政権に対立する白衛軍を支持し,その敗北後国外に亡命したロシア人。十月革命以前の支配階級に属する地主,資本家,内戦期に白衛軍に加わった将軍,将校,兵士,一部の知識人,および彼らの家族などから成り,1917-21年にその総数は200万人にのぼった。彼らの主要な亡命先は,フランス,ドイツ,ポーランド,チェコスロバキア,フィンランド,バルト三国,バルカン諸国,中国,アメリカ,カナダなどであり,とりわけフランス(約40万)とドイツ(約60万)が亡命者のセンターとなった。日本にも白系ロシア人が来たが,1924年末(日ソ国交正常化の前年)の在日ロシア国籍者814名という数字に見られるように,その数は世界の白系ロシア人の中のごく一部を占めたにすぎない。
白系ロシア人は,帝政派,カデット,メンシェビキ,エス・エル党など十月革命以前のロシアの有力諸党派の政治活動を亡命地で継続し,《最新情報Poslednie novosti》(カデット系,パリ),《社会主義通報Sotsialisticheskii vestnik》(メンシェビキ系,ベルリン),《ロシアの自由Volya Rossii》(エス・エル党系,プラハ)などの新聞をはじめ,種々のロシア語出版物を刊行した。一部の白系ロシア人はソ連への侵攻計画を立てて干渉戦に加わり,その終結後も機をうかがった。他の一部はソビエト体制の承認に傾いた(〈道標転換Smena vekh〉派)。ソ連に帰国した人々もかなりいた。白系ロシア人の中には,作家のブーニン,ナボコフ,メレシコフスキー,哲学者のベルジャーエフ,シェストフ,作曲家のラフマニノフ,声楽家のシャリアピン,画家のシャガールなど,ヨーロッパ文化に新鮮な刺激をもたらした知識人も少なくない。
執筆者:原 暉之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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