白血球減少(読み)はっけっきゅうげんしょう(その他表記)Leukopenia

六訂版 家庭医学大全科 「白血球減少」の解説

白血球減少
はっけっきゅうげんしょう
Leukopenia
(血液・造血器の病気)

どんな病気か・原因は何か

 白血球大半好中球リンパ球が占めているので、白血球の減少で主に問題になるのは好中球の減少とリンパ球の減少です。

 好中球は表10に示すように、①骨髄における白血球産生能力が低下した場合、②白血球の成熟障害により異常な白血球がつくられるために途中で死んでしまう場合(無効造血)、③白血球の破壊が亢進した場合、④白血病などの腫瘍性疾患により造血幹細胞が障害された場合に減少します。500/μℓ以下に減ると細菌や真菌による重症感染症を発症する危険が高くなります。

 好中球が0に近い状態にまで減少したものを無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)と呼びます。顆粒球とは好中球、好酸球、好塩基球ですが、大半が好中球のためにこのように呼ばれます。

 また、リンパ球は、後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)エイズ)や副腎皮質ステロイド薬投与で減り、著しく低い場合は日和見感染(健康な人には感染症を起こさない弱毒病原体による感染症)が問題になります。

病気に気づいたらどうする

 かぜなどのウイルス性疾患でも白血球数は少なくなるので、必ずしも恐い病気ばかりではありませんが、白血球が少ないといわれた場合は、血液検査白血球分類を調べてもらいます。好中球やリンパ球が極端に少ない場合や貧血、血小板減少がある場合は血液内科への受診が必要です。

 しかし、健康でも基準値から外れる人もあり、白血球数が少ないことが必ずしも異常でないこともあります。


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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