白銅(読み)ハクドウ

デジタル大辞泉 「白銅」の意味・読み・例文・類語

はく‐どう【白銅】

銅にニッケルを15~25パーセント加えた合金銀白色で硬く、展延性耐食性に富むので、硬貨装飾品に用いる。
白銅貨」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「白銅」の意味・読み・例文・類語

はく‐どう【白銅】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (すず)を多く含んでいる青銅白色で硬い。
    1. [初出の実例]「仏分白銅供養具壱拾弐口」(出典:法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747))
  3. 銅とニッケルの合金。銀白色で硬くさびにくい。貨幣に用いる。
    1. [初出の実例]「白銅の工は、独逸の長技なるも、英仏にて再三の覧観を経たれば、又訪ざるが如し」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉例言)
  4. 白銅で鋳造された白銅貨幣(はくどうかへい)の略。
    1. [初出の実例]「それに五銭の白銅(ハクドウ)を一つ添へ」(出典:当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉八)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「白銅」の意味・わかりやすい解説

白銅
はくどう
white copper

銅に20%までのニッケルを加えた固溶体合金。銅にニッケルを加えていくと、銅赤色が消えてやがて銀白色の合金になるのでこの名がある。硬貨の材料としてよく用いられ、現在発行されている100円、50円の硬貨はその例である。

[三島良續]

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「白銅」の解説

白銅

正式社名「白銅株式会社」。英文社名「Hakudo Co., Ltd.」。卸売業。昭和7年(1932)前身の「白銅商店」創業。同24年(1949)株式会社化。同42年(1967)現在の社名に変更本社は東京都千代田区丸の内。非鉄金属商社。アルミ伸銅ステンレスなどを販売。顧客注文に応じ加工も行う。東京証券取引所第1部上場。証券コード7637。

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百科事典マイペディア 「白銅」の意味・わかりやすい解説

白銅【はくどう】

キュプロニッケル

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白銅」の意味・わかりやすい解説

白銅
はくどう

「銅ニッケル合金」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の白銅の言及

【キュプロニッケル】より

…ニッケルNiを10~30%含む銅合金。白銅とも呼ばれる。Ni10%,20%,30%の合金がつくられ,Ni量が増すにつれて,赤みがかった色から銀白色へと変わる。…

【金属工芸】より

…人類が金属の使用を開始した時期は非常に古く,前5000年ころのエジプトですでに金と銅の使用が知られている。金属のうち金,銀,銅,隕鉄は最も早くから人類が採取した自然金属で,はじめは天然の状態のものを打ったり切ったりして使用していたが,やがて冶金技術が発達すると同時に鋳造技術もおこり,銅,錫(すず),鉛,アンチモンなどが鉱石から採取されるようになり,青銅,白銅など銅合金が作られるようになった。青銅はメソポタミアでは前3000年ころ,中国では前2000年ころにすでに行われており,武器,祭器,装身具などが作られた。…

【銅合金】より

…純銅は独特な赤色を呈し〈あかがね〉とも呼ばれるが,亜鉛を加えると黄色へと変わる(黄銅など)。また,ニッケルを加えると銀白色となる(白銅など)。われわれが日常見る銅製品は黒く汚れたようにさびていることがあるが,適当な方法で磨けば美しい光沢と色調を示す。…

※「白銅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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