皮剥(読み)かわはぎ

精選版 日本国語大辞典 「皮剥」の意味・読み・例文・類語

かわ‐はぎ かは‥【皮剥】

〘名〙
① けだものの皮をはぐこと。また、けだものの皮をはいで、なめし革を作ること。また、それを業とした人。中・近世、賤視された。
※豊国大明神祭礼記(1604)「皮剥(ハギ)〈略〉馳集不員幾何
② 木の皮をはぐこと。
※断橋(1911)〈岩野泡鳴〉一四「旅行中に見た檞の皮剥(は)ぎ」
③ カワハギ科の海魚。全長は約三〇センチメートル。体は側扁し、菱形に近い。口は小さくとがり、目の上方に第一背びれである一本のとげがある。体色は一般に黄褐色地色に、暗色斑が散在するが、変異が大きい。皮膚は厚く表面はざらざらしている。北海道以南から東シナ海にかけて分布し、水深一〇〇メートル以浅の砂底に群生する。夏、最も美味とされ、刺身やちり鍋などにする。料理の際にまず皮をむくのでこの名がある。はぎ。はげ。うまづら。かわむき。〔和漢三才図会(1712)〕
④ 舞台での道具替わりの方法の一つ。立てて並べられた何枚かの張物を、前から順々に取り払い、場面の移り変わりを表現する。

かわ‐むき かは‥【皮剥】

〘名〙
① 物の皮をむくこと。
※古今料理集(1670‐74頃)五「蛸〈略〉かわむきとは、かわを成ほどきれいにすきとむきて、いかやうにも切る事也」
大根ニンジンゴボウ、イモなどの表皮をむく料理道具。長さ一二、三センチメートルの四角な木の台の先端に薄い金具を付けたもの。総金属製で、着脱可能な刃をつけたものなどもある。
③ (物の皮をはぎ取るようにするところから) 芝居で、舞台面が変わる時、今までの左右囲いを全部取りのけて、別の囲いと換えること。

かわ‐はがれ かは‥【皮剥】

〘名〙 皮がはがれること。また、そのもの。獣類をののしっていう語。
※虎明本狂言・横座(室町末‐近世初)「いはんや汝は生きたるかわはがれめが」

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動植物名よみかた辞典 普及版 「皮剥」の解説

皮剥 (カワハギ)

学名Stephanolepis cirrhifer
動物。カワハギ科の海水魚

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「皮剥」の意味・わかりやすい解説

皮剥
かわはぎ

石匙」のページをご覧ください。

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