ぼん‐さん【盆山】
[1] 〘名〙
① 庭などに
砂礫(されき)などを積んで築いた小さい山。また、庭などに置く山の形をした石。
※
実隆公記‐延徳二年(1490)八月一五日「此石不可為盆山、造観音像則可進内裏御乳母人」
※玉塵抄(1563)五「仮山と云は盆山のことぞ。〈略〉盆やはちに土ををいて木をうえて木を山のやうにつくりないたぞ」
[2]
狂言。各流。盆山を盗みにはいった男が、そこの
主人に見つけられる。主人はいじめて帰そうとし、あれは
盗人ではなくて犬だ、猿だなどと言うと、男はその鳴き声をまねるが、鯛だと言われて窮し「たいたい」と言って逃げる。
鷺流では「盆山盗人」。
ぼん‐やま【盆山】
〘名〙
※
蔭凉軒日録‐寛正四年(1463)五月八日「仍先以
二愚老所持之盆山
一、奉
レ懸
二于御目
一也」
※俳諧・鷹筑波(1638)二「茶の子にや増盆山(ボンやま)の餠つつじ〈貞好〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「盆山」の意味・読み・例文・類語
ぼんさん【盆山】[狂言]
狂言。ある男が盆山を盗みにはいると主人に見つけられ、犬や猿の鳴きまねをさせられたうえ鯛の鳴き声まで要求されて逃げ出す。
ぼん‐さん【盆山】
1 庭に石などを積み上げてつくった人工の山。
2 箱庭や盆栽の上に自然の石や砂を用いてつくった山。
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普及版 字通
「盆山」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典(旧版)内の盆山の言及
【盆景】より
…石を盆に載せ,その周辺に砂で風景を描く芸道。広くは盆石と呼ばれ,盆山ともいわれる。江戸時代に流行し,座敷飾の一つとして一般化した。…
【盆石】より
…江戸時代中期以降には盆石は文人趣味の一つとして流行し,清原流,竹屋流,相阿弥流,細川流など多数の流派を生んだ。また伝書も種々あらわれ,《蒹葭堂盆石志》《盆山秘言》などが読まれている。盆石は中国の仮山と同じく,本来石だけを盆に据えて鑑賞するものであったが,後には盆山,[盆景],盆画,盆庭などと呼ばれる縮景の遊びも含むようになった。…
※「盆山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」