精選版 日本国語大辞典 「大山寺」の意味・読み・例文・類語
たいさん‐じ【大山寺】
おおやま‐でら おほやま‥【大山寺】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
大山中腹にある。角盤山と号し天台宗。本尊は地蔵菩薩。大山は「出雲国風土記」には「大神嶽」と記され、大国主命が国引のときに杭にした山とされる。信仰の山で、のち天台仏教と結び付いて大山一山が成立した。開山以来明治初年まで大山寺という寺自体は存在しなかったが、一山の諸院・堂社を総称する意味で便宜的に大山寺とよばれることはあった。
開山の時期は不詳だが、奈良時代にさかのぼるとされる。現
平安初期天台座主円仁が入山したという伝説があり、縁起では帰朝の途次、麓の
大山の東の中腹にある。雨降山と号し真言宗大覚寺派。本尊は鉄造不動明王坐像および矜羯羅・制多迦両童子。明治初年までは大山山頂の
天平勝宝七年(七五五)良弁の開基と伝えられる。「大山寺縁起」によれば良弁は相模国の国司太郎大夫時忠の子で、生後まもなく金色の鷲にさらわれて奈良の覚明の坊の傍らの山中に運ばれ、覚明に育てられた。奈良東大寺の初代別当となってのち年老いた両親と再会、故郷の相模国へ戻り、大山へ入って不動堂を開いたという。天平宝字五年(七六一)光増は行基の遺命により不動明王像を刻んで本堂の本尊とした。元慶三年(八七九)地震で伽藍・仏像の多くが灰燼に帰し、同八年安然により再興された(以上「風土記稿」)。「吾妻鏡」元暦元年(一一八四)九月一七日条には「相模国大山寺免田五町畠八町任先例可引募」との源頼朝の下知が出され、建久三年(一一九二)五月八日条には鎌倉
貞和三年(一三四七)一一月二九日の鎌倉府奉行人連署奉書写(県史三)によれば、この頃、当寺の造営が企てられ、鎌倉府も協力を約している。文和元年(一三五二)一〇月一日には足利尊氏から丸嶋郷が寄進されている(「将軍足利尊氏御教書写」同書)。尊氏は同二年五月四日に「天下安全」を(「将軍足利尊氏御教書写」同書)、同年六月二三日には「凶徒退治」を(「将軍足利尊氏御教書」同書)、また足利基氏も貞治三年(一三六四)四月二六日に「天下安全」を祈念せよと当寺衆徒に命じており(「関東公方足利基氏御教書写」同書)、足利氏一門の信仰が厚かった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
鳥取県西伯郡大山町にある天台宗の寺。山号は角磐山。寺伝によれば,出雲国玉造の俊方という猟師が地蔵菩薩の霊験によって発心し,金蓮上人となって開基したという。古代から神聖な山と仰がれた大山は,平安時代に入ると修験道の行場として知られるようになった。やがて,地蔵菩薩を本地とする大智明権現を核に,釈迦,阿弥陀,大日の信仰をそれぞれ中心とする南光院,西明院,中門院と付属の堂舎僧坊群が形成され,延暦寺の末寺に組み入れられていった。その時期は不明だが,《中右記》によると,1094年(嘉保1)300人余の大衆が上洛して天台座主を訴えているから,少なくとも11世紀には,山陰道屈指の天台寺院に成長していたことがわかる。中世には,基好(きこう)のような学匠も出たが,一方では強力な僧兵集団も擁していた。近世には寺領3000石。寺内は一種の自治をしき,〈1山3院42坊〉と称される大勢力を維持した。神仏分離によって1875年寺号を廃されたが,1903年大日堂を中心に,大山寺が復活した。西明院に属する阿弥陀堂と阿弥陀如来座像は,ともに重要文化財に指定されている。
執筆者:藤岡 大拙
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
鳥取県大山町にある天台宗の寺。役小角(えんのおづの)の創建とも,出雲国の金蓮(こんれん)上人の開山ともいう。平安初期に慈覚大師円仁が入寺したと伝えられ,平安時代に南光院・西明院・中門院の3院からなる天台宗寺院として確立。多くの僧をかかえ,ときには上洛強訴するなど強大な勢力をもった。地蔵菩薩を本地とする智明権現を祭る修験の山としても知られた。1875年(明治8)の神仏分離で廃されたが,のち復興。銅造観世音菩薩像や鉄製厨子(いずれも重文)などがある。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
… 大山の標高は富士山の半分にもみたないが,日本海に近く,直接北西季節風の影響を受けるため,気候の垂直的変化が大きく,生物相も多彩である。山麓一帯は栗,ナラなどの落葉樹や松,杉の針葉樹林で,標高660mの大山寺付近からブナ,ミズナラなどの落葉広葉樹林帯となる。ブナは大山を代表する樹木で,初夏は緑,秋はあざやかな黄色で山を彩る。…
…国内の式内社は,国名のもとになったとされる天神川下流域の波々伯(ははき)神社を含め6座(いずれも小社)を数えるにすぎないが,大山(だいせん)や三徳(みとく)山など古来著名な修験霊場が多くの崇敬を集めていた。これらの山には平安期に大山寺,三仏寺などの山岳寺院が建立され,密教系寺院の一大勢力地域を形成した。中でも大山寺は平安末期の最盛期には300名に上る僧兵を擁したといわれ,山陰地域一帯に勢力を誇った。…
※「大山寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新