真直(読み)マナオ

デジタル大辞泉 「真直」の意味・読み・例文・類語

ま‐なお〔‐なほ〕【真直】

[形動ナリ]正しく偽りのないさま。心のまっすぐなさま。
豊国企救きく浜辺砂地まなごつち―にしあらば何か嘆かむ」〈・一三九三〉

しん‐ちょく【真直】

[名・形動]まっすぐなこと。また、そのさま。
兄さん言葉は如何にも論理的に終始を貫いて―に見えます」〈漱石行人

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「真直」の意味・読み・例文・類語

まっ‐すぐ【真直】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 副詞的にも用いる。
  2. 物が図形的にまったく直線的で、少しも曲がっていないさま。真一文字。ますぐ。まっすじ。
    1. [初出の実例]「乱はまっすくにわたるを云ぞ」(出典:史記抄(1477)三)
  3. ( 比喩的に ) 直線的で、少しも曲がっていないこと。また、そのさま。
    1. (イ) 少しも包みかくすところがないこと。偽りやごまかしがないさま。ありのままであるさま。すなおなさま。正直。
      1. [初出の実例]「さらばその霊夢の様を、ご前にて真直に申し上げられ候へ」(出典:謡曲・盛久(1423頃))
      2. 「あなたは真っ直でよい御気性だ」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一)
    2. (ロ) 一定の目的から横にそれないこと。寄り道をしないさま。
      1. [初出の実例]「恋路よりまっすくに入涅槃こそ実(げに)煩悩は即(そく)菩提なれ」(出典狂歌古今夷曲集(1666)一〇)
      2. 「まっすぐ帰宅して、アトリエで思う存分野心作に取り組める」(出典:誰かが触った(1972)〈宮原昭夫〉五)

ま‐すぐ【真直】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 少しも曲がっていないこと。また、そのさま。まっすぐ。
    1. [初出の実例]「真人は身と顙とちともゆがまぬ、ますくにしているぞ」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)三)
  3. ありのままでつつみかくしのないこと。正直なこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「神書は方便は更ない、只其ますくに云ぞ」(出典:日本書紀桃源抄(15C後))
  4. なんの変化もつけないこと。すなおであること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「様もなく、ますぐにかくかくと謡ひし、よくよく案じ解けば」(出典:申楽談儀(1430)喜阿)

ま‐じき‥ヂキ【真直】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) =ましょうじき(真正直)
    1. [初出の実例]「誠しやかに教へしを、真直(マジキ)にうける糞正じき」(出典:洒落本・新吾左出放題盲牛(1781)才六会拐)

ま‐なお‥なほ【真直】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 正しく偽りのないこと。真実。まっすぐ。
    1. [初出の実例]「豊国の企救の浜辺のまなごつち真直(まなほ)にしあらば何か嘆かむ」(出典:万葉集(8C後)七・一三九三)

しん‐ちょく【真直】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 少しのまがりもないこと。また、そのさま。まっすぐ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android