物事の道理や是非の判断ならびにその実践に関する陽明学の一方法。朱子学では,経書に記された聖人の教えを知った後にそれを実行に移すという知先行後説をとるが,陽明学は知と行とを二つにわけるべきではなく,知は行を通してのみ真の知となり,行によって作り出されるものとして知と行との合一を説いた。これは朱子学の経書を重んずる主知主義的態度に対して,陽明学の内面の判断力とそれにもとづく実践的態度の重視を表している。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…中国,明代中期の思想家,政治家。字は伯安,号は陽明。ふつう王陽明とよびならわされる。浙江省余姚(よよう)の人。父は南京吏部尚書王華。弘治12年(1499)の進士。明朝教学体系の中枢を占めた朱子学の権威に疑問の投げかけられはじめた思想・社会状況のなかで,王守仁は思想形成をなし,独自に良知心学を樹立して,強烈な朱子学批判を行った。ために思想界は朱子学の呪縛から解放されて,彼の出現以後の思想界は百花斉放の観を呈した。…
※「知行合一説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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