短絡反応(読み)タンラクハンノウ(その他表記)short circuit reaction

デジタル大辞泉 「短絡反応」の意味・読み・例文・類語

たんらく‐はんのう〔‐ハンオウ〕【短絡反応】

目標に向かう力に動かされて、いっさいの知的判断を経ずになされる直接的行動。近道反応

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精選版 日本国語大辞典 「短絡反応」の意味・読み・例文・類語

たんらく‐はんのう‥ハンオウ【短絡反応】

  1. 〘 名詞 〙 複雑な事態に直面しても、それに正当に対処するための思考を働かせずに、衝動的、直観的に反応すること。短絡行動

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改訂新版 世界大百科事典 「短絡反応」の意味・わかりやすい解説

短絡反応 (たんらくはんのう)
short circuit reaction

ドイツの精神科医E.クレッチマーがあげた心因反応の一つの型。爆発反応とならんで水準の低い原始的な反応形式とされる。強い感情に彩られた衝動が,人格というフィルター統制を受けることなく,願望や目的に合致するような行動へと直接的に移されるのでこの名がある。すなわち動因となる願望とその目的達成的行動とが短絡的に結合し,そこには自己統制もなければ,なんらの自我防衛的な修飾もされず,そのまま行動として顕現するのである。学業について注意された子どもが学校がなければいいのだと思い前後見境いもなく校舎に放火してしまうこととか,私生児を産んだ女子の衝動的な嬰児(えいじ)殺しなどは短絡反応の例としてあげられる。このような短絡的な反応の生ずる背景には,人格の未熟さ,すなわち年少で精神発達が不良な場合,小児的人格,その他の人格障害精神遅滞などがある。
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