改訂新版 世界大百科事典 「石出帯刀」の意味・わかりやすい解説
石出帯刀 (いしでたてわき)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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江戸時代に江戸の小伝馬町(こでんまちょう)にあった牢屋(ろうや)の取締りを役職とした者。高300俵、町奉行(ぶぎょう)の支配を受け、小伝馬町牢屋構内の拝領屋敷に居住した。配下に牢屋同心(どうしん)58人、牢屋下男3人があった。牢舎が慶長(けいちょう)年間(1596~1615)に常盤(ときわ)橋外から小伝馬町に移った当時より、幕末まで石出氏が代々石出帯刀の名称でその職責を務めた。俗に牢屋奉行とよばれたように牢屋敷いっさいのことを管理したが、不浄の役人として登城は許されなかった。1657年(明暦3)の大火の際、当時の石出帯刀(常軒(じょうけん)、1615―89)が、囚人の焼死を救うため、自己の責任で囚人を放免した逸事がある。なお、これを1662年(寛文2)のこととする説もある。
[南 和男]
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