焼死(読み)ショウシ(英語表記)death by fire
Feuertod[ドイツ]

デジタル大辞泉 「焼死」の意味・読み・例文・類語

しょう‐し〔セウ‐〕【焼死】

[名](スル)焼け死ぬこと。「火事に逃げ遅れて焼死する」「焼死者」

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精選版 日本国語大辞典 「焼死」の意味・読み・例文・類語

やけ‐し・ぬ【焼死】

〘自ナ五(四)〙 やけし・ぬ 〘自ナ変〙 焼けて死ぬ。火に包まれて死ぬ。焼死する。
今昔(1120頃か)二「汝が父母の家に失火出来て、父母眷属の大小一時に焼死き」

しょう‐し セウ‥【焼死】

〘名〙 焼け死ぬこと。やけじに。
※中華若木詩抄(1520頃)上「人馬水に溺れて死せねば焼死す」

やけ‐じに【焼死】

〘名〙 火に焼かれて死ぬこと。しょうし。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「焼死」の意味・わかりやすい解説

焼死 (しょうし)
death by fire
Feuertod[ドイツ]

火災によって死亡することの総称。火災現場では,火炎との接触やその放射熱による熱作用,熱気や煙の吸引,燃焼による酸素欠乏などの影響を受けるが,直接の死因はほとんどが火傷一酸化炭素中毒である。しかし,解剖などの十分な検査によっていくつかの因子の影響によると判断される場合や,解剖していないため一原因に決めかねる場合には,死因を焼死とすることが多い。火災時の煙の中に存在する有毒成分の主たるものは一酸化炭素である。燃焼物質によっては,青酸塩素アンモニアホスゲン,窒素酸化物などのガスが存在することもあるが,死因に対し大きな影響を及ぼすことは少ない。火災現場から発見された死体の中には,病死,自殺,他殺,事故死で出火時すでに死亡していることがある。これらの死体では,熱傷部に熱に対する生体反応がみられず,鼻口腔,気管,肺,食道,胃内に煙の吸引によるすすが存在しない。なお,焼死体は拳闘家のように手足を屈曲させているが,これは熱によって四肢の筋肉が収縮するために起こるもので,死後に焼けた場合にもみられる現象であり,火災時の苦悶状態を示すものではない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「焼死」の意味・わかりやすい解説

焼死
しょうし
conflagration

火災や火熱が原因となって,現場で即死するか,あるいはその後短時間で死亡するものをいう。焼死体の大多数は,現場に発生した一酸化炭素に中毒して死亡するので,死体血液を調べると,多量の一酸化炭素ヘモグロビンが検出される。さらに,すすの吸入,紅斑性および水疱性火傷,咽喉部の火傷などがあれば,焼死体と考えてよい。犯罪のなかには,殺害後,家に放火し,過失による焼死を偽装することがあるが,上記の点を確認することで焼死と区別できる。

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普及版 字通 「焼死」の読み・字形・画数・意味

【焼死】しようし

焚死。

字通「焼」の項目を見る

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