石岡のおまつり(読み)いしおかのおまつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石岡のおまつり」の意味・わかりやすい解説

石岡のおまつり
いしおかのおまつり

茨城県石岡市の常陸国総社宮(ひたちのくにそうしゃぐう)の例大祭(→例祭)。毎年 9月15日および敬老の日を最終日とする 3日間に行なわれる。かつては旧暦 9月9日前後の 3日間であったが,のちに 9月15日前後となり,敬老の日が 9月第2月曜日となってからは,15日に例祭の祭典行ない,敬老の日を最終日とする連休初日に神幸祭,最終日に還幸祭を行なうようになった。祭りは,氏子各町が交代で祭り当番となる年番町の制度によって支えられており,1902年に氏子 16町内(今日年番を務めるのは 15町内)による年番制が定まったとされる。年番になった町では,祭り全般の責任を負うとともに,神輿御旅所となる御仮殿を自町内につくる。各町内では,最上部に神武天皇楠木正成などの神話や歴史上の人物の人形を載せた山車と,獅子頭のついた台車囃子を載せ幌で覆った幌獅子を出し,初日の神輿渡御と最終日の還御に供奉するほか,中日には市内を引き回す。また,富田町は「ささら」と呼ばれる 3頭一組の特徴的な獅子を出す。この獅子は幌獅子ではなく,一人立ちの獅子舞の姿を竹棒に取り付けて舞わせるもので,七度半使いが来て初めて出るとされる格式をもち,土橋町仲之町の幌獅子とともに,神輿の先払役と拝殿や御仮殿での奉納の特権をもっている。

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