砒銅ウラン石(読み)ひどううらんせき(その他表記)zeunerite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「砒銅ウラン石」の意味・わかりやすい解説

砒銅ウラン石
ひどううらんせき
zeunerite

ウランの二次鉱物の一つ。花崗(かこう)岩質ペグマタイトや気成鉱床、含ウラン熱水鉱脈鉱床の酸化帯中に産する。原鉱物となった銅やヒ素の鉱物は特定されないこともある。しばしば正方板状の自形をなす。低位水化物のメタ砒銅ウラン石metazeuneriteに容易に変化する。日本では福島県川俣(かわまた)町、岡山県倉敷市三吉(みよし)鉱山閉山)などで産する。リン置換体の燐(りん)銅ウラン石とは肉眼的には区別しがたいこともある。英名はドイツの物理学者でフライベルクFreiberg鉱山学校校長であったツォイネルGustav Anton Zeuner(1828―1907)にちなむ。

加藤 昭 2018年7月20日]


砒銅ウラン石(データノート)
ひどううらんせきでーたのーと

砒銅ウラン石
 英名    zeunerite
 化学式   Cu[UO2|AsO42・10~16H2O
 少量成分  ―
 結晶系   正方
 硬度    2.5
 比重    3.57(16H2Oの値)
 色     緑,黄緑,草緑
 光沢    ガラス
 条痕    淡緑
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

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