日本大百科全書(ニッポニカ) 「燐銅ウラン石」の意味・わかりやすい解説
燐銅ウラン石
りんどううらんせき
torbernite
二次生成のウラン鉱物の一つ。熱水性ウラン鉱床、花崗(かこう)岩質ペグマタイト、堆積(たいせき)性ウラン鉱床中に産する。自形は正方板状。日本では福島県石川町、福岡県糸島(いとしま)市福吉(ふくよし)地区などのペグマタイト中から微量を産する。二次鉱物とされているが、構成成分のすべて、すなわちウラン、銅、リンの原鉱物がいずれも共存していないことが多い。むしろ、これらの元素の初生鉱物が明らかにされていない産地が多い。英名はスウェーデンの鉱物学者ベルイマンTorbern O. Bergmann(1735―84)にちなむ。
[加藤 昭]