硬鑞(読み)コウロウ(英語表記)brazing filler metal

デジタル大辞泉 「硬鑞」の意味・読み・例文・類語

こう‐ろう〔カウラフ〕【硬×鑞】

融点ろう付け母材接合に用いられる合金総称。ふつう融点が450度以上のものをさし、銀鑞金鑞・銅鑞・黄銅鑞などがある。→軟鑞なんろう

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精選版 日本国語大辞典 「硬鑞」の意味・読み・例文・類語

こう‐ろうカウラフ【硬鑞】

  1. 〘 名詞 〙 銅、銀、金、黄銅などを主成分とした高融点の鑞付合金の総称。錫、鉛を主成分とした低融点の鑞付合金(軟鑞)に対する語。主成分によってそれぞれ銀鑞、金鑞、洋銀鑞などと呼ばれ、半田(はんだ)よりも強度、硬さ、耐熱性などが必要なときに用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「硬鑞」の意味・わかりやすい解説

硬鑞 (こうろう)
brazing filler metal

金属鑞付によって接合するときの鑞材のうち,溶融温度が450℃以上のものを硬鑞,それ以下のものを軟鑞あるいははんだという。鑞付は,接合したい母材の溶融温度よりもかなり低い温度で溶ける鑞材を使って,母材は溶かさずに鑞材を溶かして固めて接着を行う。硬鑞としては,銀鑞,黄銅鑞,アルミニウム合金鑞,リン銅鑞,ニッケル鑞,金鑞などがある。これらは一般に多成分の合金であって,たとえば,銀鑞はAg-Cu合金が主体であるが,さらにZn,Cd,Sn,Niなどを添加した種々の合金があり,成分によって溶融温度が違い,したがって,鑞付温度も違う。接合したい母材と接合部の使用環境によって,鑞材を選択する。
溶接
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百科事典マイペディア 「硬鑞」の意味・わかりやすい解説

硬鑞【こうろう】

硬質はんだとも。鑞付(ろうづけ)に使う合金を鑞と総称し,そのうち融点が450℃以上のものを硬鑞という。それ以下のものは軟鑞,あるいははんだと呼ばれる。硬鑞には黄銅鑞のほか,銀鑞(銀40〜70%に銅,亜鉛などを加える),金鑞(金40〜60%に銀,銅を加える)やリン銅鑞,アルミニウム鑞などがあり,それぞれの金属,合金製品の接合に使用される。

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世界大百科事典(旧版)内の硬鑞の言及

【溶接】より

…またガス火炎による鑞付けも広く用いられている。
[鑞付け]
 鑞付けに使用する合金(鑞という)の融点が450℃以上のものを硬鑞といい,これによる鑞付けをブレージングbrazingと呼び,融点が450℃以下の軟鑞を用いるものをはんだ付けと呼ぶ。硬鑞には金,銀,銅およびアルミニウム合金などが用いられ,軟鑞には鉛とスズの合金がもっとも一般的に用いられる。…

【鑞付】より

…鍛金において,方形の箱または桶のような金属容器を接合する際に用いる。鑞材には硬鑞と軟鑞がある。硬鑞は溶融点が450℃以上のものをいい,これ以下のものを軟鑞という。…

※「硬鑞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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