社会的事実(読み)シャカイテキジジツ(その他表記)fait social

デジタル大辞泉 「社会的事実」の意味・読み・例文・類語

しゃかいてき‐じじつ〔シヤクワイテキ‐〕【社会的事実】

個人にとって外在的で、拘束を課すもの。法・道徳宗教流行など。デュルケームはこれを社会学固有の研究対象とした。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「社会的事実」の意味・読み・例文・類語

しゃかいてき‐じじつシャクヮイ‥【社会的事実】

  1. 〘 名詞 〙 個人に対して外から拘束を加えるような力をもつ、一切の行為様式。法、道徳、宗教、犯罪、流行など。フランスの社会学者デュルケームの用語
    1. [初出の実例]「始めから頭の中に硬張った道徳を据ゑ付けて、其道徳から逆に社会的事実を発展させ様とする程、本末を誤った話はない」(出典:それから(1909)〈夏目漱石〉九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社会的事実」の意味・わかりやすい解説

社会的事実
しゃかいてきじじつ
fait social

É.デュルケムによれば,社会学の研究対象は,社会的事実と呼ばれる一定事象である。これは行為思考感情の様式として規定することができるが,簡単には制度と言い換えてもよい。個人の外に存在し,個人に対して強制力をもつものである。すなわち社会的事実の特徴は,外在性と拘束性とに示される。しかし客観的事物と同一ではない。それは,事実に表現されることはあっても,本来は観念的事実,意識的事実である。彼はこれを集合意識と呼ぶ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android