私教類聚(読み)しきょうるいじゅう

世界大百科事典 第2版の解説

しきょうるいじゅう【私教類聚】

吉備真備(きびのまきび)の書。逸書であるが,目録38ヵ条が《拾芥抄》に引用されて残っている。その内容は教訓書で,儒教と仏教を重んじ,道教,仙道をしりぞけている。吉備真備の著か否か疑う説もあるが,すでに平安後期の《政事要略》に6ヵ条の引用が見える。滝川政次郎は,これと中国北斉の顔之推(がんしすい)の著《顔氏家訓》と比較研究し,同書が《私教類聚》に影響を及ぼしたとし,偽作説を排した。【横田 健一】

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

私教類聚
しきょうるいじゅう

奈良時代の教訓書。1巻。吉備真備(きびのまきび)が769年(神護景雲3)ごろに記したものでわが国最古の家訓と目されるが、『拾芥抄(しゅうがいしょう)』に目録がみえる以外は、『政事要略』などに逸文が残る。38条よりなり、儒仏を重んじて道教を排する姿勢がうかがえる。唐代に盛んに行われていた北斉(ほくせい)の顔之推(がんしすい)の『顔氏家訓(がんしかくん)』が随所に引用されているので、これを手本にしたことが知られる。当時の学問教育を知るうえでの貴重な文献。[大曽根章介]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

しきょうるいじゅう シケウルイジュウ【私教類聚】

日本最古の教訓書。五〇巻。吉備真備(きびのまきび)著。神護景雲三年(七六九)頃成立。子孫を戒めるために書かれたもので、「論語」「史記」などの漢籍を引く。伝本はなく、要目だけが「拾芥抄」に見られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

カジノ解禁

石原慎太郎・東京都知事が1999年に臨海副都心のお台場への誘致を表明して以来、解禁論が何度も浮上してきた。カジノは刑法で禁止されているが、地方自治体には観光活性化や地域振興のために認めるべきだとの声が...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android