秋元不死男(読み)アキモトフジオ

デジタル大辞泉 「秋元不死男」の意味・読み・例文・類語

あきもと‐ふじお〔‐フジを〕【秋元不死男】

[1901~1977]俳人神奈川の生まれ。本名、不二雄。「氷海」を創刊主宰俳句「もの」説で反響を呼んだ。句集」「」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「秋元不死男」の解説

秋元 不死男
アキモト フジオ

昭和期の俳人



生年
明治34(1901)年11月3日

没年
昭和52(1977)年7月25日

出生地
神奈川県横浜市元町

本名
秋元 不二雄(アキモト フジオ)

別名
別号=秋元 地平線,東 京三

学歴〔年〕
高小〔大正5年〕卒

主な受賞名〔年〕
蛇笏賞(第2回)〔昭和43年〕「万座」,横浜文化賞〔昭和46年〕

経歴
大正5年横浜火災海上保険に入り、昭和16年まで勤務する。会社勤めのかたわら夜学に通い、また文学書を耽読した。松根東洋城らに俳句の指導を受けたが、昭和5年島田青峰の「土上」を知り、以後「土上」に秋元地平線の筆名で句作を発表。東京三と筆名を変えて以後振興俳句の俳人として活躍、西東三鬼と交友。15年「街」を刊行、また「天香」を創刊した。15年に生じた京大俳句事件で16年検挙され、18年まで拘留される。戦後は新俳句人連盟に参加したが、23年「天狼」同人となり、24年「氷海」を創刊した。25年「瘤」を刊行、42年刊行の「万座」では蛇笏賞を受賞し、46年には横浜文化賞を受賞した。著書に「プロレタリア俳句の理解」「現代俳句の出発」「俳句入門」など。他に「秋元不死男全集」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「秋元不死男」の意味・わかりやすい解説

秋元不死男
あきもとふじお
(1901―1977)

俳人。横浜に生まれる。本名不二雄(ふじお)。旧号地平線、東京三(ひがしきょうぞう)。13歳で父に死別、高等小学校卒業後、横浜火災海上保険会社に入社、俳句を知る。島田青峰(せいほう)の弟、的甫(てきほ)に勧められ『土上(どじょう)』に入り、1932年(昭和7)『土上』同人。1941年2月5日、俳句弾圧事件に連座、検挙される。後年の句集『瘤(こぶ)』には獄中の句を所収。第二次世界大戦後『天狼(てんろう)』に参加、『氷海』を創刊、主宰する。1954年(昭和29)、俳句は「もの」のもつ象徴力を生かす最短詩であるとする、俳句「もの」説を唱え反響をよんだ。1968年蛇笏(だこつ)賞受賞。句集に『街』(1940)、『瘤』(1950)、『万座』(1967)、『甘露集』(1977)のほか、『俳句入門』(1955)の著がある。劇作家秋元松代は実妹。

楠本憲吉

 寒(さむ)や母(はは)地にアセチレン風に欷(な)き

『『秋元不死男全集』全2巻(1980・角川書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「秋元不死男」の解説

秋元不死男 あきもと-ふじお

1901-1977 昭和時代の俳人。
明治34年11月3日生まれ。秋元松代の兄。昭和15年西東三鬼らと「天香」を創刊。翌年,新興俳句弾圧事件で投獄される。のち獄中句集「瘤(こぶ)」を刊行。24年「氷海」を創刊,主宰。43年「万座」ほかで蛇笏(だこつ)賞。昭和52年7月25日死去。75歳。神奈川県出身。本名は不二雄。別号に東(ひがし)京三,地平線。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「秋元不死男」の解説

秋元 不死男 (あきもと ふじお)

生年月日:1901年11月3日
昭和時代の俳人
1977年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android