一度葬られたあと、なんらかの理由で改めて二次的に葬儀がなされることをいう。改葬ともよばれる。葬法が2段階以上に分かれていることが制度的であれば、葬制全体として複葬と普通よばれている。いったん埋められた死体が掘り起こされ、洗骨がなされて、改めて葬儀を行ってこの骨が葬られる手順が複葬の典型である。複葬の分布は、熱帯アメリカ、インドネシア、メラネシア、ニュージーランド、中国南部の中国人や少数民族の一部、ベトナム人、中部インドのムンダ系諸族などに広がっており、アフリカではあまりみられない。日本でも一部で改葬として制度的になっている所もある。一方、二次的な葬儀が制度的なものではなく、個別的で偶発的な改葬の例もある。たとえば、朝鮮や中国では多くの場合、風水信仰に基づいて、子孫の災いが祖先の墓の位置によるものとして、他の場所へ移葬されることがある。移葬の起源については、複葬一般の起源とも関連し、また死生観、他界観の多様からまだつまびらかにされていないが、風水信仰がそうであるように、定住性が一つの前提条件と考えられている。
[髙谷紀夫]
『大林太良著『葬制の起源』(角川選書)』
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
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