種蒔(読み)たねまき

精選版 日本国語大辞典 「種蒔」の意味・読み・例文・類語

たね‐まき【種蒔】

〘名〙
① 種を田や畠などにまくこと。また特に、稲の種もみを八十八夜前後に苗代(なわしろ)にまくこと。たねおろし。たなまき。《季・春》 〔文明本節用集(室町中)〕
② 転じて、よい結果を得るためのきっかけや下地を作ること。
浮世草子傾城禁短気(1711)三「紋日、役日其外無心の種蒔(タネマキ)に、売て居ながら横を切らせに行かるる」
③ 情交することのたとえ。
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉二六「ハハハ何の種蒔に油断は無からうなれば頓て幾人も出来やうぞ」
④ あちこちで問題を引き起こすような行為をして歩くこと。また、その人。
良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉続「仲間中の苦情の種播者(タネマキ)とも謂ふべき彼の七五郎が」

たね‐ま・く【種蒔】

〘他カ五(四)〙
① 種を田や畑などにまく。
堀河百首(1105‐06頃)春「谷水をせく水口にいぐし立ていを代小田に種蒔きけり藤原仲実〉」
物事の発生するもとをつくる。
謡曲鞍馬天狗(1480頃)「おん物笑ひの種蒔くや、言の葉繁き恋草の、老いをな隔てそ垣穂の梅」

しゅ‐じ【種蒔】

〘名〙 作物の種を田畑にまくこと。〔色葉字類抄(1177‐81)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「種蒔」の読み・字形・画数・意味

【種蒔】しゆじ

種まき

字通「種」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android