デジタル大辞泉 「空寂」の意味・読み・例文・類語 くう‐じゃく【空寂】 [名]仏語。宇宙のすべての事物は実体がなく、その本性は空であるということ。また、それを悟った境地。[名・形動]静かでもの寂しいこと。また、そのさま。「―なうちにも血の湧くような心地こころもちに帰るのであった」〈藤村・破戒〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「空寂」の意味・読み・例文・類語 くう‐じゃく【空寂】 〘 名詞 〙 ( 形動 )① 仏語。この世のものは有形、無形のいずれにかかわらず、その実体、自性はなく、空(くう)であるということ。また、それをさとって、一切の煩悩、執着を離れた無心の境地。[初出の実例]「我所レ有三悪道、与二彌陀仏万徳一、本来空寂、一体無礙」(出典:往生要集(984‐985)大文四)② ひっそりと寂しい様子。[初出の実例]「空寂なうちにも血の湧くやうな心地(こころもち)に帰るのであった」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉一二)[その他の文献]〔景徳伝燈録‐三〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例