立て引き(読み)タテヒキ

デジタル大辞泉 「立て引き」の意味・読み・例文・類語

たて‐ひき【立て引き/達引き】

義理意気地を立て通すこと。また、そのために起こる争い。「恋の―」
「この釣船の三ぶが尻持った―」〈浄・浪花鑑
談判交渉
「そこへ何かの―さんせ、ここらで我ら粋を通し夜食扶持にありつかう」〈浄・妹背山
気前をみせて、他人の代わりに金品を出すこと。また特に、遊女が客の遊興費を出すこと。
「さよじさんに一本借りて―をしてあげてやったに」〈洒・通言総籬

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精選版 日本国語大辞典 「立て引き」の意味・読み・例文・類語

たて‐ひき【立引・達引】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 義理や意気地を立て通すこと。また、そのためにとる言動。特に、遊女が客のために出費などすることにいうことがある。たていれ。
    1. [初出の実例]「わり様が尻持か、此釣舩の三ぶが尻持た立引(たテひき)、此珠数で数へて見りゃ、丁度九百九十九出入有」(出典:浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)三)
  3. 言い分を述べること。談判すること。交渉。かけひき。
    1. [初出の実例]「又今時はやる立引(タテヒキ)とやらの埒(らち)明る」(出典:談義本・教訓続下手談義(1753)一)

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