精選版 日本国語大辞典 「端書き」の意味・読み・例文・類語 は‐がき【端書・羽書・葉書】 〘 名詞 〙 紙きれを用いて書いた文書・書類。[ 一 ] ( 端書 )① 江戸時代、検見直後に代官などによって発せられた仮の徴税令書。早急に徴税するために年貢の正式な目録が出される前に年貢割付を記して村方に出された書付。仮免状。[初出の実例]「国の判書(ハカキ)は外に専なし〈岩泉〉 豊年も粒はちいさき岡穂にて〈遠水〉」(出典:俳諧・雑談集(1692)下)② 転じて、督促状・催促状。[初出の実例]「月はほどなく質屋から端書来る」(出典:雑俳・柳多留‐三九(1807))③ 署名のある書類。〔日葡辞書(1603‐04)〕[ 二 ] ( 羽書・端書 )① 江戸時代、伊勢国(三重県)で通用した紙幣。慶長・元和(一五九六‐一六二四)の頃、その地の有力な商人たちが信用を基盤として発行したもの。山田羽書は寛政二年(一七九〇)からは幕府の山田奉行が発行全般に関与し、明治初期まで発行が続けられた。→伊勢羽書。② 江戸時代、銭湯などの代金を前納している人に渡しておく小さな紙片。湯札。[初出の実例]「せん湯へ羽書で行は品がよし」(出典:雑俳・柳多留‐一二(1777))[ 三 ] ( 葉書・端書 )( 「郵便葉書」の略 ) 第二種郵便に使用する一定規格・様式の通信用紙。[初出の実例]「樋口彌門といふ名前にて藤三郎方へ左の端書が達したり」(出典:郵便報知新聞‐明治一六年(1883)二月八日)端書きの語誌( [ 三 ]について ) 郵便制度創設の二年後、明治六年(一八七三)に誕生した。正式名称の「郵便葉書」は、郵便制度の創始者前島密の友人で大蔵省紙幣寮に勤務していた青江秀の発案といわれている。 つま‐がき【端書・妻書】 〘 名詞 〙 江戸時代、両替屋の間で行なわれた振出手形に書き込んだ渡し先の宛て名書き。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例