日本歴史地名大系 「竹並遺跡」の解説
竹並遺跡
たけなみいせき
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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福岡県行橋市大字竹並に所在する,弥生時代・古墳時代の複合遺跡。広い丘陵全体にひろがる遺跡で,弥生時代中期の住居跡,貯蔵穴,古墳時代前期の小古墳群,古墳時代後期の横穴式石室をもつ群集墳と群集横穴墓群からなりたっている。最大の特色は横穴墓群である。未調査のものを含めて,約1500基ぐらいがあり,そのうちの約1000基が調査されている。5世紀後半から8世紀前半まで,連続してつくられており,埋葬の変遷をたどることができる。前期の横穴墓は単独であるのに対して,後期の横穴墓は墓道を共有して,数基の横穴墓がつくられるという形態的な変遷と,単数埋葬から複数埋葬という個人墓から家族墓的性格への変化を知ることができる。埋葬人骨もよく残っており,《正倉院文書》のなかにある豊前国戸籍記載の古代の家族構成とも類似していることがわかる。古墳時代後期における家父長的大家族とその墳墓形成の状況を知ることのできる重要な遺跡である。
執筆者:佐田 茂
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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