朝日日本歴史人物事典 「竹島幸左衛門」の解説
竹島幸左衛門
生年:生年不詳
元禄期,上方の立役の歌舞伎役者。初名日本左衛門。初期歌舞伎の名優日本伝助の子。弟に道外形役者竹島兵八がある。父のもとで修業をし,延宝年間(1673~81)には一時江戸に下ったが,その後は主として上方の舞台を勤めた。元禄の初めには,荒木与次兵衛,藤田小平次と共に立役の三幅対といわれた。元禄16(1703)年大坂で座本をしているときに,近松門左衛門よりも早く「曾根崎心中」の歌舞伎を上演し,丁稚長蔵を演じた。容貌がすぐれず,濡れ事,やつし事が不得手であったが,「武道実事の開山」といわれ,名人として人々に親しまれた。2代目は養子が継ぎ,以後宝暦まで4代を数えた。<参考文献>『歌舞伎評判記集成』1期
(北川博子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報