筑紫楽(読み)ツクシガク

デジタル大辞泉 「筑紫楽」の意味・読み・例文・類語

つくし‐がく【×筑紫楽】

雅楽一種で、室町時代に九州久留米の善導寺中心に行われていたもの。箏曲そうきょく筑紫流を生む母体となった。

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精選版 日本国語大辞典 「筑紫楽」の意味・読み・例文・類語

つくし‐がく【筑紫楽】

〘名〙
① 平安中期から九州北部の寺院で奏された、雅楽の管弦合奏曲。
糸竹初心集(1664)中「今在家にひける楽をつくし楽といふ也」

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改訂新版 世界大百科事典 「筑紫楽」の意味・わかりやすい解説

筑紫楽 (つくしがく)

日本音楽の種目名。北九州地方に行われた音楽,とくに寺院雅楽をいう。箏曲源流である筑紫箏が成立する母体としての寺院雅楽が,善導寺をはじめとする北九州の寺院に行われていたとして,その総称としていう。ただし後代には,善導寺にのみ数曲が遺存していることを,18世紀末から19世紀初めの箏曲文献が記しているのみで,それを善導寺楽とも称しているが,箏以外の編成についての詳細は不明。
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