策命(読み)サクメイ

デジタル大辞泉 「策命」の意味・読み・例文・類語

さく‐めい【策命】

昔、中国で、天子諸侯けい大夫に下した文書。辞令書。
古く、日本で、宣命体で書かれた詔勅。明治以後は、三位以上の贈位に際して与えられた宣命をいう。

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精選版 日本国語大辞典 「策命」の意味・読み・例文・類語

さく‐めい【策命】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 昔、中国で天子が諸公、卿(けい)、大夫(たいふ)に下した文書。天子から爵位、封土を授けられるときの文書。辞令書。策書。〔周礼春官内史〕 〔春秋左伝‐僖公二八年〕
  3. さくぶん(策文)
    1. [初出の実例]「帝即位於大極殿、〈略〉策命曰」(出典日本文徳天皇実録‐嘉祥三年(850)四月甲子)
  4. 明治以後において、三位以上の贈位について墓前に告げる宣命をいう。

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普及版 字通 「策命」の読み・字形・画数・意味

【策命】さくめい

詔命。辞令書。〔周礼、春官、内史〕・大夫に命ずるときは、則ち之れに策命す。四方の事の書は、之れを讀む。

字通「策」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の策命の言及

【殷周美術】より

…王は天命を受けて天下の祭りごとを行い,諸侯は王の賜与により王の明徳をわかつ分器を与えられ,臣たる誓いをたてた。これが策命である。しかし,西周初めの青銅器はなお殷代の様式を保っている。…

【金文】より

… 西周中期は殷周青銅器文化の大きな転換点にあたり,たとえば青銅器のセットが酒器を中心としたものから食器を中心としたものに変わり,また図像記号も消失するなど,殷以来の要素をこの時期に払拭してゆくのである。金文については,官職任命の儀式を詳しく記述した,いささかステレオタイプの文章から成る策命(さくめい)(冊命)金文が,この時期から西周末期にかけて盛行する。この種の金文で記述される策命の儀式は,最初の官職任命や封建の際のものではなく,すでに先祖が周の先王から命ぜられた職務の継承を,今王の立会いのもとに再確認する,一種の所領安堵(あんど)の儀式であった。…

※「策命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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