(読み)サク

デジタル大辞泉 「策」の意味・読み・例文・類語

さく【策】

はかりごとや計画。また、事をうまく運ぶための手段・方法。「を練る」「を授ける」
むち。つえ。「を執る」
[類語]方策対策施策企て一計奇計奇策愚策秘策・対応策・善後策得策方法妙計妙策良計良策上策下策国策政策一策万策拙策無策弥縫策びほうさく密計秘計百計

さく【策】[漢字項目]

[音]サク(漢) [訓]むち
学習漢字]6年
文字を書き付けた竹のふだ。特に、天子が下す文書。「策命
はかりごと。計画。計画を立てる。「策士策定策略画策奇策失策術策政策得策方策無策善後策
むち。つえ。「警策きょうさく・けいさく散策
[名のり]かず・つか・もり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「策」の意味・読み・例文・類語

さく【策】

〘名〙
① はかりごと。計略。策略。また、あることを解決するための工夫。
万葉(8C後)一八・四一二八右詞文「心中含咲独座稍開、表裏不同相違何異、推量所由率爾作策歟。明知加言豈有他意乎」
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉五「人を乗せる策を教授する方が、世の為にも当人の為にもなるだらう」 〔礼記‐仲尼燕居〕
② 古代、中国で、文字を記した竹札。簡札。転じて、文書。かきつけ。また、特に授官の辞令書。冊(さく)
※漢書列伝竺桃抄(1458‐60)爰盎鼂錯第一九「こちの題を評するやうに、題をかいて一ものに入て、どれでまりをっとって、其事を策に対てかくぞ」 〔荘子‐駢拇〕
③ (古代、天子が政治について下問するとき、竹ふだに書いたところから) 政治上の問題。また、それに対する答え。転じて、令制における官吏登用試験の問題文(策問)、およびこれに対する解答文(対策)。ともに漢文で書かれた。策文。
※令義解(718)考課「凡進士。試時務策二条。〈略〉其策文詞順序。義理慥当。并帖過者為通」 〔漢書‐匡衡伝〕
④ むち。杖。〔春秋左伝‐文公一三年〕
⑤ 占いに用いる具。めどき。筮竹(ぜいちく)
史記抄(1477)一八「左手の策をば左の大刻にをき、右手の策をば右の大刻に置ぞ」 〔戦国策‐秦策・昭襄王〕

さく‐・する【策】

〘他サ変〙 さく・す 〘他サ変〙 はかりごとなどを頭の中であれこれと考える。はかりごとをする。
※史記抄(1477)一四「秦策於是出と云は、秦の晉を策する事歟」

しゃく【策】

〘名〙 (「しゃく」は「策」の呉音) 官吏登用試験などで、問題を示し、またこれに答えるために用いられた漢文体文章。さく。

さく‐・す【策】

〘他サ変〙 ⇒さくする(策)

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【算木】より

…(2)中国の計算器。算木は日本に伝わってからの呼称で,中国では算,籌(ちゆう),策などと呼ぶ。10cm前後の細い角棒で,これを図のように組み合わせて任意の数字をあらわした。…

※「策」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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