経営管理の諸問題を工学的手法によって解決しようとする研究の総称。この場合、経営管理とは経営体の効果的な構成と運用をいい、工学的手法の内容は、数学的・統計学的手法、システム工学の手法、人間工学の手法などをいう。また、問題にする経営体は、国家、企業、学校、家庭などさまざまなものがありうるが、現実には企業が中心である。以上の諸点は、管理工学とよばれているものの基本的特質であるが、歴史の新しいこともあって、管理工学と名づけられる研究の範囲や接近方法は、十分整理されていない。このため、この研究の名称も各様で、経営工学、経営科学、管理科学、インダストリアル・エンジニアリング(IE)などとよばれたりする。
管理工学の内容は、その発展過程とも関連して、およそ次の三つに分けられる。第一は、科学的管理法の発展であるIEである。これは、人的・物的資源を総合化したシステムの設計と改善を目ざし、人間工学やシステム工学の手法を駆使する。第二は、意思決定の科学化を目ざすオペレーションズ・リサーチ(OR)であり、数学や統計学の手法を駆使する。第三は、コンピュータを中核にした管理システムの設計と改善を目ざすシステム・エンジニアリング(SE)であり、システム工学やサイバネティックスの手法を駆使する。以上の三大内容は、相互に深く結び付き融合する方向にある。
[森本三男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…日本的経営風土に適したIEが発達し世界的に生産性の高い国に成長した一因となっている。日本ではIEを経営工学,産業工学,生産工学,管理工学と訳す場合があるが,一般にはIEという用語が用いられている。インダストリアル・エンジニアリングをIErと略すことがあるが,日本的略語である。…
※「管理工学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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