コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

精神神経免疫学 せいしんしんけいめんえきがく

1件 の用語解説(精神神経免疫学の意味・用語解説を検索)

家庭医学館の解説

せいしんしんけいめんえきがく【精神神経免疫学】

 従来、心身症(しんしんしょう)などにおける心とからだの関連を理解するためのアプローチ自律神経系内分泌系(ないぶんぴつけい)に関するものが主流でした。近年では免疫系に焦点をあてた研究が急速な成果をあげており、この分野を精神神経免疫学と呼びます。
 脳細胞と免疫細胞白血球(はっけっきゅう)、リンパ球ナチュラルキラー細胞など)は、元来、同一のシステムに属していたものが進化の途上で分化したという説があり、これを裏付ける数々の知見が提出されています。また、免疫系に固有の伝達物質であるとみなされていた種々の物質(インターロイキンインターフェロンなど)が脳の視床下部(ししょうかぶ)に直接作用してさまざまな精神症状をおこすという報告もあります。そして、脳内固有の伝達物質とされていた物質(アセチルコリンアドレナリン、脳内麻薬様物質のエンドルフィン、エンケファリンなど)が、免疫細胞に直接的に作用して、その活性を強めたり弱めたりすることもわかってきました。
 臨床場面では、たとえば、うつ病の患者さんにがんの発生率が高いという報告は、枚挙に暇(いとま)がないほどですが、これを精神神経免疫学的観点から裏付ける研究があります。うつ病患者さんではリンパ球やナチュラルキラー細胞の活性の低下が証明され、これは脳が分泌する免疫抑制物質のためではないかと考えられています。また、インターロイキンと消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)の関連を示唆する報告があるほか、気管支(きかんし)ぜんそくアトピー性皮膚炎など、さまざまな心身症に関して精神神経免疫学的なアプローチが進行中です。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

精神神経免疫学の関連キーワード心身症震悚森森身心心身医学心身障害者心身相関心身震慴スーパーウーマンシンドローム

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

精神神経免疫学の関連情報