紀綱(読み)キコウ

精選版 日本国語大辞典 「紀綱」の意味・読み・例文・類語

き‐こう‥カウ【紀綱】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「紀」は小綱、「綱」は大綱で国家を引き締める意 ) 政治を行なう上で、根本となる重要な制度や規則。政治の大綱。制度典章。綱紀。法度。
    1. [初出の実例]「律令格式者、録当今之要務、具庶官之紀綱」(出典:続日本紀‐天平宝字三年(759)六月丙辰)
    2. 「太平久く続くときは漸々に上下困窮し、夫よりして紀綱乱て終に乱を生ず」(出典:政談(1727頃)二)
    3. [その他の文献]〔書経‐五子之歌〕
  3. 国を治めること。取り締まること。〔国語‐魯語下〕
  4. 禅宗寺院で、寺内の治安維持をはかる職。また、仏事法要の運営を指導し、誦経を先導する役。維那(いのう)
    1. [初出の実例]「本寺例掌紀綱者、毎仏生之辰」(出典空華日用工夫略集‐至徳三年(1386)四月八日)

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普及版 字通 「紀綱」の読み・字形・画数・意味

【紀綱】きこう(かう)

国の大小規律。小を紀、大を綱という。〔書、五子之歌〕今厥(そ)のを失ひ、其の紀綱を亂し、乃ち滅(いた)す。

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世界大百科事典(旧版)内の紀綱の言及

【維那】より

…禅宗では六知事の一つとして独自の展開がみられるが,僧衆の修行を督励・監視し,堂内の衆務を総覧する役位と規定されている。紀綱とも称し,大衆の法悦を誘発させるので悦衆ともいう。【高橋 美都】。…

※「紀綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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