紅涙(読み)こうるい

精選版 日本国語大辞典 「紅涙」の意味・読み・例文・類語

こう‐るい【紅涙】

〘名〙
① 血の涙。悲嘆の涙をたとえていう語。血涙(けつるい)
※朝野群載‐九・長保元年(999)六月二四日・藤原在国参議申文「空紅涙於秋雨
平家(13C前)一一「虎口(ここう)讒言(ざんげん)によってむなしく紅涙にしづむ」
美人の涙。女性の涙。
玉葉‐養和二年(1182)正月一二日「近臣之陪妾仕女等、開彼旧経等、拭紅涙嗚咽」 〔温庭筠‐達摩支曲〕
③ 花に置いた露をたとえていう語。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「紅涙」の意味・読み・例文・類語

こう‐るい【紅涙】

血の涙。悲嘆にくれて流す涙をいう。
女性の涙をたとえていう。「紅涙を絞る」
[類語]血涙血の涙悲涙暗涙涕涙

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「紅涙」の読み・字形・画数・意味

【紅涙】こうるい

美人の涙。〔拾遺記、七、魏〕愛するの美人、姓は(せつ)、名は靈(れいうん)、~母に別るると聞き、歔欷(きよき)すること累日。~路に就くの時に至り、玉唾壺を以てを承く。壺則ち紅色となる。~京師に至るにび、壺中凝りて血の如し。

字通「紅」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android