細越村(読み)ほそごえむら

日本歴史地名大系 「細越村」の解説

細越村
ほそごえむら

[現在地名]遠野市上郷町細越かみごうちようほそごえ

高清水たかしみず(一〇一三・九メートル)の北西麓を占め、西流する早瀬はやせ川の上・中流域に集落がある。東は仙人せんにん(標高八八七メートル)を経て釜石街道で甲子かつし(現釜石市)、北は佐比内さひない村、南は赤羽根あかばね(標高五九九・一メートル)で仙台藩領気仙けせん郡と境する。細長い峠越えの村であることから生じた村名という。阿曾沼氏の家臣細越氏の本拠地で、小原田こうらた林崎はやしさき館は天正年間(一五七三―九二)細越惣兵衛の居館であったと伝える。しの館跡・うりもり(平清水氏居館)ともに中世末の館跡。

慶長一七年(一六一二)細越村の高六六石余を含む二千石が上野右近に宛行われている(同年「南部利直知行宛行状」参考諸家系図)


細越村
ほそごえむら

[現在地名]青森市細越

東は荒川あらかわ村、南は高田たかだ村、西は岩渡いわわたり村、北は安田やすた村に接する。村の北端と安田村の境に館跡があり、「津軽歴代記類」に「永禄年中外ケ浜細越の館主、某とやらん公へ対し不礼の事ありけれバ、多田弥七郎討手被仰付右館、則時に攻め抜き御威勢尤盛んなる故、南部高信にも大に君を憚りしなり」とある。

正保二年(一六四五)の津軽知行高之帳の田舎いなか郡に村名があり、高一三二・九一石、うち田方一二三・三三石とある。


細越村
ほそごえむら

[現在地名]弘前市細越

岩木山の東麓にあり、北は折笠おりかさ村、南は植田うえだ(現中津軽郡岩木町)、東は鼻和はなわ村に接する。

正保二年(一六四五)の津軽知行高之帳の鼻和郡に村名があり、村高三七二・九八石、うち田方は三四九・九八石とある。しかしこの細越村は同年の津軽郡之絵図によれば、愛宕あたご(現岩木町植田の愛宕神社)のふもとに描かれており、のちの植田村をも包括した地域をさしたと思われる。


細越村
ほそごえむら

[現在地名]三川村内川うちかわ 細越

新谷あらや川右岸にあり、東は新谷村行地ゆくじ村、西は五十沢いかざわ村。小名として対岸中島なかじま古館ふるだてがあり、北に笠菅かさすげ山、西から行地川が流れる。文禄三年(一五九四)七月の蒲生氏高目録帳(内閣文庫蔵)に「細越 百三十石八斗」とある。元禄郷帳では一三〇石五斗余。「新編会津風土記」によれば家数は本村に四六、中島に四、古館に一二。「津川旧記」によると元禄元年(一六八八)に新谷村と「がんとう沢」の出入について争論があった。元和六年(一六二〇)漆木役として一三一本五分。


細越村
ほそごえむら

[現在地名]柳津町細八ほそはち

西から北にかけて只見ただみ川が迂回東流し、河岸段丘上に集落がある。東は八坂野やさかの村、南は柳津村。天正一五年(一五八七)一〇月七日の紀年銘をもつ柳津虚空蔵堂鰐口に「檀那 細越村猪俣美濃守吉種」とあったという(新編会津風土記)。村北一町余に五輪六基があり、猪俣美濃某の墓所と伝えるとある(同書)。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録では高二〇七石余。寛文五年(一六六五)の「稲河領牛沢組郷村万改帳」では本田高二四二石余・新田高二石余、免二ツ二分二厘余、家数一九、竈二二、男四四・女三九、馬六で、小物成に綿役・糠藁・足前・山役・松葉サライがあり、ほかに役漆木二千二四〇本・役蝋四七貫六三匁があり、養蚕をし、薪を伐って売った。


細越村
ほそごえむら

[現在地名]柏崎市細越

東は水上みずかみ村、西は野田のた村、南は黒姫くろひめ(八八九・五メートル)、北は佐水さみず村。永禄三年(一五六〇)一〇月吉日の貫屋家兼売券案(来田文書)に「久米ほそこへ」と並記される。伊勢御師の檀那が所在したものと思われる。天正二年(一五七四)三月二七日の小倭右近後室寄進状(専称寺文書)によると、専称せんしよう寺へ阿弥陀仏の霊供として「ほそこへ七十五束苅」などが寄進されている。なお戦国期には当地に毛利北条氏の家臣細越監物が居城したと伝える(白川風土記)。寛政一〇年(一七九八)の御尋ニ付村々書上控帳(飯塚知義氏蔵)によると、庄屋小右衛門家は当村に城のあった頃から居住し、天正六年より庄屋役をつとめていると記す。


細越村
ほそごえむら

[現在地名]丹生川村細越

東は桐山きりやま村・下坪しもつぼ村、南は西流する小八賀こはちが川を隔てて新張にいばり村。慶長一〇年(一六〇五)飛騨国郷帳に村名がみえ、山口やまくち村などとともに高付される。同一八年郷帳では「ほそこへ村」として高一四二石余。元禄検地反歩帳の高一七七石余、田一二町七反余・畑六町二反余。「飛騨国中案内」によれば免は三割二分六厘、家数一六、うち百姓一四・門屋二。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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