主としてドイツ語圏で発展した経営学。その成立の経緯から、経営の経済的側面を個別経済的視点から考察するという方法論にたち、経営学という名称を用いず、経営経済学という。1898年、ドイツに初めて商科大学が設置されたが、その中心学科を何に求めるかが問題になった。既存の商業学は科学として問題があるのみでなく、産業社会にふさわしくない。そこで新しい科学が模索され、私経済学、個別経済学などの提唱と方法論争を経て、1920年ごろ経営経済学の名称が定着した。第二次世界大戦前の状況は、経営の経験的現実事象を問題にする経験学派と、経営のあるべき姿(中心は経営共同体論)を説く規範学派に二大分され、前者はさらに、経営経済の因果法則を説明する理論学派と、因果法則を政策―目的に置き換えて、政策や手法を研究する技術論派に分かれていた。戦後、近代経済学の方法を取り入れた理論学派が圧倒的地位を占めたが、近年、アメリカ経営学とくに組織論、意思決定論、システム論などの内容と、実証的方法や学際研究に強く影響を受け、経済学的色彩は希薄となった。しかし、名称のみはなお経営経済学と称している。
[森本三男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…会計学の諸分野も,企業活動における資金の流れの側面を会計的手法によって分析する。【土屋 守章】
【ドイツ経営学】
ドイツでは経営学は一般に経営経済学Betriebswirtschaftslehreと呼ばれている。それは,管理論の対象を公・私の企業はもちろんのこと,行政,教育,軍隊,教会,労働組合などさまざまな組織にまで拡張しようとするアメリカ経営学に対し,当初は少なくとも私企業(株式会社)のみを対象としていたことに特徴がある。…
…とくに,管理があらゆる人間組織に共通にみられる不可欠の活動であること,しかしそれは他の諸活動=作業活動と異なり組織のメンバーに働きかける活動であること,その管理はいくつかの下位活動から構成されていること,管理者の一般的判断基準として,経験的素材のなかから管理原則を帰納的に抽出するのが有用であること,といった点は強い影響を与えた。
[ドイツの経営経済学]
ドイツでもテーラー・システムが導入され,経営科学と呼ばれた。1920年代には経営組織論に発展し,労働過程の時間的連続性を中心とした作業組織の問題,さらに管理機構全体の階層的関係のあり方などを問題にした。…
※「経営経済学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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