改訂新版 世界大百科事典 「経営者団体」の意味・わかりやすい解説
経営者団体 (けいえいしゃだんたい)
特定の目的をもって結成された経営者の組織のことで,業種別,地域別の団体,さらにはそれらの連合体などがある。日本では,業種別団体に,日本鉄鋼連盟,日本自動車工業会(自工会),石油連盟,全国銀行協会連合会(全銀協)などがある。地域別団体には,各地の商工会議所や関東経営者協会などの地域経営者協会がある。全国的連合体として,経済団体連合会(経団連),日本経営者団体連盟(日経連),日本商工会議所(日商)がある。経団連は大企業の立場,日商は地方経済界と中小企業の立場を代表する。日経連は〈財界労務部〉の異名があるように労働問題を専門に扱う。このほか,経営者の研究集団である経済同友会(同友会)があり,以上を〈経済4団体〉という。日本最初の経営者団体は商法会議所(現,商工会議所)で1878年,東京,大阪,神戸に設けられ,1927年にはその全国的機関として日本商工会議所がつくられた。一方,第1次大戦による工業発展をバックに1917年日本工業俱楽部(クラブ)が設立されたが,その後,工業,商業,金融を含む日本経済連盟会が設立され(1922),活動の中心はこれに移る。また労働問題を扱う雇主団体として31年全国産業団体連合会が設立された。第2次大戦中は,重要産業団体令により,多数の業種別統制会と重要産業協議会がつくられ,経営者団体の編成替えが行われた。終戦後,占領軍への窓口として45年日本経済連盟が中心となり,経済団体連合委員会が結成された。翌年,連合委員会は経済団体連合会に改組され,52年再編成により業種別総合団体となった。1946年には同友会,48年には日経連がつくられた。なお2002年5月,経団連と日経連は統合,日本経済団体連合会(日本経団連)となった。
欧米では,アメリカの全米商業会議所,全米製造業者協会,イギリスのイギリス産業連盟,ドイツのドイツ産業連盟,フランスのフランス経営者団体全国協議会などがある。各国の商工会議所の連絡調整機関として国際商業会議所がパリにあり,日本もこれに加入している。
→財界
執筆者:原田 幸裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報