日本経営者団体連盟(読み)にほんけいえいしゃだんたいれんめい

精選版 日本国語大辞典 「日本経営者団体連盟」の意味・読み・例文・類語

にほん‐けいえいしゃだんたいれんめい【日本経営者団体連盟】

主として労働問題の調査研究、建議などを行なう経営者団体財界四団体の一つ。昭和二三年(一九四八設立日経連

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デジタル大辞泉 「日本経営者団体連盟」の意味・読み・例文・類語

にほん‐けいえいしゃだんたいれんめい【日本経営者団体連盟】

日本経済団体連合会前身団体の一つ。業種別・地方別経営者団体の全国組織として昭和23年(1948)に発足。「経営者よ、正しく強かれ」をスローガンに労働問題に取り組み、賃金交渉への対応などを通して労使関係の安定化を図った。平成14年(2002)に経済団体連合会統合。日経連。

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改訂新版 世界大百科事典 「日本経営者団体連盟」の意味・わかりやすい解説

日本経営者団体連盟 (にほんけいえいしゃだんたいれんめい)

経済4団体(経団連日商,日経連,同友会)の一つ。その機能から〈財界労務部〉と称され,〈日経連〉の略称で呼ばれることが多い。第2次大戦前,この種の団体としてあった全産連(全国産業団体連合会。〈日本工業俱楽部(クラブ)〉の項目参照)は,1931年政府の労働組合法案反対を契機として結成されたもので,大日本産業報国会の成立に伴い42年解消した。戦後の日経連は,労働組合を前提とした民主的な労使関係のあり方につき経営者への啓発,調査,連携,意見具申などに当たる経営者団体の中央機関として設立された。戦後労働組合の中央組織に対応する経営者の全国団体は,当初占領軍の方針で認められず,まず46年6月関東経営者協会をはじめ地方別・業種別の団体が設置され,これらを結集して全国組織として48年4月日経連が創立された。

 会員は83年3月現在で,北海道,東北,関東,中部,関西,中国,四国,九州の地方ブロックと,これを含めた各県経営者協会の地方別団体47と日本鉄鋼連盟,日本電機工業会,日本民営鉄道協会など業種別団体57の計104団体。経済4団体のなかで労働・労務問題を専管し,地方別・業種別両組織をもつのは他に類がない。創立当時は労使関係が極度に荒れていて,経営者側は激しい労働攻勢にさらされていた。日経連は〈経営者よ正しく強かれ〉(設立宣言末尾の言葉)と経営権確立モットーとして,その後も重要争議などを通じて経営者の意識統一に努め,1955年以来毎年春闘に経営者側へ指針を示した。70年から生産性基準原理(物価高騰防止のため賃金上昇率を労働生産性の伸び率の枠内にとどめること)を提唱し,75年以来毎年報告書で徹底を期している。創立以来21年間専務理事を務めた前田一(1895-1978)は《サラリーマン物語》(1927)で〈サラリーマン〉という言葉を定着させた人物でもあるが,毎年の日経連総会での労働情勢報告は的確な数字と広い識見を織り込んでいると評価され,また1950年代半ば以降は総評の太田薫議長と好対照の財界を代表するスターであった。しかし組合対策だけが日経連の主要活動ではない。初代代表常任理事諸井貫一(秩父セメント社長,1896-1968)は経営者啓蒙を第一任務とし,続く桜田武会長(日清紡社長)も78年創立30年記念総会で,経営モラルの確立,人間関係の重視,社会的貢献を創立以来の三大使命に掲げた。なお日経連は,創立当初は代表常任理事制だったが,1949年5月以降は会長制をとっている。

 日経連は,経営者啓発のため月刊《経営者》(1947創刊)の発行などの広報活動,企業への労務相談のほか,教育活動として企業内訓練の指導普及に当たる日産訓(日本産業訓練協会)の創設(1955),日経連人材開発センター富士研修所開設(1967)と同所での経営トップセミナー(1969以降),海外調査団派遣などを行っている。2002年5月,経済団体連合会(経団連)と統合して日本経済団体連合会となった。
経営者団体
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本経営者団体連盟」の意味・わかりやすい解説

日本経営者団体連盟
にほんけいえいしゃだんたいれんめい

1948年に設立された労働問題を取り扱う全国的な経営者の団体。略称は日経連。経済団体連合会(経団連),日本商工会議所(日商),経済同友会とともに財界四団体の一つだった。地方別,業種別団体の連合体。前身は,1946年設立の関東経営者協会を中心として翌 1947年に結成された経営者団体連合会。経団連が経済一般を担当するのに対し,日経連は主として労働問題を中心とする情報収集,広報活動を行ない,労働対策についての経営者間の連係を保つことを目的としていた。そのため日経連は毎年 1回春季賃金引き上げ闘争の前に賃金引き上げのガイドラインを発表し,1970年代にはそのなかで「生産性基準原理」を唱え,賃金上昇率を生産性(全国平均,業種平均あるいは自社の予想生産性)上昇率以内に抑えるべきだとした。2002年5月に経団連と統合して日本経済団体連合会となった。

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百科事典マイペディア 「日本経営者団体連盟」の意味・わかりやすい解説

日本経営者団体連盟【にほんけいえいしゃだんたいれんめい】

略称日経連。労働問題について経営者側の統一的対策をたてるための組織。1947年設立の日本経営者団体連合会が1948年改組されたもの。全国的業種別団体と地方別経営者団体とで構成。2002年5月,経済団体連合会(経団連)と統合して日本経済団体連合会が発足。
→関連項目経済同友会春闘日本経済団体連合会

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本経営者団体連盟」の意味・わかりやすい解説

日本経営者団体連盟
にほんけいえいしゃだんたいれんめい
Japan Federation of Employers' Associations

労働組合に対応した経営者団体の全国組織。日経連と略称された。2002年(平成14)経済団体連合会と統合し、日本経済団体連合会となった。

[編集部]

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