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経済戦 けいざいせんeconomic warfare

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

経済戦
けいざいせん
economic warfare

狭義には,ある国が国際紛争で勝つために,軍事とは区別された経済的な手段を行使すること。広義には,他国の犠牲において一国が経済力を強大にすることや,供給物資の独占や弱小国の輸出市場を保障することで他国の自国に対する経済依存度を高め,経済的に支配することも含まれる。この言葉は,1930年代のイギリスにおいて広く用いられるようになった。第1次世界大戦中イギリスでは,ドイツに対する封鎖,遮断,禁輸などの遂行にあたる「封鎖省」が設けられたが,そのときの経験から,単に戦時において敵国を封鎖するだけでなく,平時においても敵性国を経済的に孤立させ,戦争遂行能力をつけさせないようにすることが肝心だという認識が生じた。 30年代の世界恐慌のさなかに,各国がきそって「近隣窮乏化政策」をとったのは,その反映である。これは同時に,世界経済における自国の立場を強化することをも意味した。保護関税,貿易制限,為替切下げ,各種ダンピングなどを手段とする独善的な経済政策,さらにそれに政治的,軍事的圧力が加わって進められた経済ブロック化の動きは,経済戦の具体的進展であり,第2次世界大戦を促す大きな要因ともなった。戦後アメリカのイニシアチブのもとに対共産圏輸出統制委員会ココム COCOM,対中国輸出統制委員会チンコム CHINCOMが出現したのも,経済戦の思想的系譜をひいたものといってよい。また経済・技術援助の供与や停止を切り札にして相手国から譲歩を引出したり自国の政策に対する支持を取りつける手法も,一種の経済的強制の事例といえよう。

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