経験したことのない大雨(読み)けいけんしたことのないおおあめ

日本大百科全書(ニッポニカ)「経験したことのない大雨」の解説

経験したことのない大雨
けいけんしたことのないおおあめ

気象庁が発表する気象等に関する特別警報で用いる、大雨についての表現。台風などの大雨により河川の氾濫(はんらん)や土砂崩れなどの災害のおそれが強まった際、住民にいっそうの警戒をよびかけるために使われる表現で、「これまでに経験したことのないような大雨になる」といった形で呼びかける。「数十年に一度の大雨」ともいい、同時に「ただちに命を守る行動をとってください」という呼びかけも行われる。

 大雨についての特別警報を発表する判定指標は、降水量(3時間あるいは24時間積算)、土壌雨量指数(水分が地中にどれだけたまっているかを示す)、流域雨量指数である。なお、降水量と土壌雨量指数についての判断には50年確率値が用いられる。まず、全国を5キロメートル四方にくぎって格子とする。そして、府県程度の広がりの範囲内で、50年に一度の値を超過した5キロメートル格子の数が、解析雨量48時間積算及び土壌雨量指数において50以上となるか、解析雨量3時間積算及び土壌雨量指数において10以上となった場合で、さらに雨が降り続くと予想されることを警報発表の目安としている。

 気象庁でこのような強い表現を使うようになったきっかけは、紀伊半島で94人が犠牲となった、2011年(平成23)9月の台風12号による災害である。当時、気象庁のもつ危機感が住民に正しく伝わらず、避難につながらなかったことが被害を拡大させた。これを機に、避難の必要性を強く訴える表現が用いられ、特別警報が発表されるようになった。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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